東村山市にある国立ハンセン病資料館で、同館として初めて「戦争」というテーマを取り上げるギャラリー展「戦後80年―戦争とハンセン病」が開催される。7月19日(土)から8月31日(日)まで。
▼戦時下のハンセン病療養所、▼日本植民地化の療養所、▼沖縄戦――などに関連する資料を展示するもので、戦争がハンセン病患者の隔離を強化した歴史を直視する。

「戦争をめぐる記憶に触れ、それを継承することによって、人権が尊重され、病いと障がいを理由とした差別が繰り返されない社会の実現を願って企画しました」と同館。
資料としては、入所者の肩や額に押し当てたと伝えらえれる拷問用の焼きごての画像や、薬莢で作った灰皿、着物を裂いて作った包帯などが紹介される。
出征し、捕虜となったオーストラリアでハンセン病を発症し、戦争・隔離というふたつの苦難を生きることになった立花誠一郎さんの半生をたどる展示もある。

トークイベント、学芸員の案内なども
なお、期間中、トークイベントなども予定されている。
7月26日(土)午後2時から3時30分までは、本展を主催する同館と、しょうけい館のそれぞれの学芸員が「戦争の記憶に触れ、それを継承すること」をテーマに語り合う。先着100人、入場無料。申込は以下から(定員に達した時点で受付終了)。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScQN-WrFdfJ4TEtz_As_frV0Ry2q4FJLMTAS28u68nzSyEg-Q/viewform
8月2日(土)、10日(日)の午後2時から同45分までは、上述の立花誠一郎さんについて紹介する「しょうけい館語り部による講和会『捕虜と隔離が打ち砕いた人生』」が開かれる。各20人程度、入場無料、事前申込不要。
このほか、7月19日(土)、8月11日(月・祝)、15日(金)、24日(日)、30日(土)は、担当学芸員によるギャラリートークが行われる。午後2時から2時40分まで。各20人程度、入場無料、事前予約不要。
なお、このうちの8月15日と24日は、こども向けの展示解説。夏休みの自由研究にもお勧めだ。

展示は午前9時30分から午後4時30分まで。
詳細は同館(TEL:042-396-2909、https://www.nhdm.jp/events/list/9273/)へ。
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