振り返る地域の2025年

本紙の発行(地域紙「タウン通信」)は、今号が年内最後。本紙が報じた地域の2025年を振り返ってみた。

(※編集部注:この記事は、紙で発行している地域紙の転載です)

都内初のこども選挙

2月の西東京市、 4月の小平市、そして、先日の東久留米市と、市長選挙の続いた1年だった。6月には都議会議員選挙、7月には参議院議員選挙も実施。国民が直接投票したわけではないが、初の女性首相が誕生したことでも、記憶される1年になった。

選挙にまつわる地域のトピックとしては、小平市長選挙時に都内で初の「こども選挙」が行われた。選挙権のない小中学生たちが選挙委員となり、子どもたちに模擬投票を呼びかけた。

小平こども選挙

この活動は地域の中で広がりを見せ、「小平こども選挙」に刺激を受けた同市在住の高校生が、東久留米市での「こども選挙」を提案。同市にある自由学園が主体となり、実際の市長選挙に合わせて実施された。

立候補者への質問選びで挙手をする子どもたち

地域から生物多様性

今年もまた、猛暑の夏だった。四季ならぬ「二季」といった言葉も飛び交い、農産物や漁業にもさまざまな影響が出ている。

そんななかで深刻なのが、クマ被害だ。さすがにこの地元での出没はないが、春には、片手のサルの目撃情報が相次ぎ、狭山丘陵ではイノシシも現れている。自然との向き合い方を一人ひとりが真剣に考えるときが来ているといえるだろう。

実際の取り組みとして、4月には、個人宅で唯一「自然共生サイト」(環境省)に登録されている西東京市の小田部邸を紹介した。希少なニホンアカガエルなどがすむ庭の姿は、個人の取り組みで生物多様性に貢献できることを示唆している。

西東京市の住宅地に希少生物がすむ庭

さらに11月には、かつての武蔵野の暮らしを伝える屋敷林の保護活動を取り上げた。一度失った環境を取り戻すのは難しい。身近なところから、目を向けていきたい。

作左衛門の森を特別緑地保全地区にして!

戦後80年

昭和100年ともいわれる今年は、戦後80年の節目でもあった。地域の中でも、戦争史跡を紹介する展示や、戦争体験者による講演会などが精力的に開かれた。地域でおなじみの「西東京市民映画祭」は、その一部が「平和映画祭」にもなった。

難病と音楽

意図したわけではないが、難病の方々が音楽で人々とつながろうとしている活動も幾つか取り上げた。6月には、視神経脊髄炎スペクトラム障害の患者たちも参加する「第九コンサート」をご紹介。

視神経脊髄炎チャリティーコンサート

つい前号では、ベーチェット病で全盲になった歌手・田代つかささんのコンサート情報をお伝えした(公演は21日、ハミングホールで)。

全盲の歌手・田代つかささん

また、先週開催された西東京市保谷こもれびホールでの宮沢和史さんのコンサートも、難病で車いす生活になり出かけにくくなったという一人の女性の思いから実現している。

一人のファンの熱意で実現、宮沢和史さんコンサート

全盲の歌手・田代つかささん

生成AIがより身近になった今年、一方ではアサヒビールのシステム障害やSNSでの名誉棄損問題など、ネットのリスクも顕在化した。

そんな時代だからこそ、音楽などの文化を通したリアルなつながりが人々に求められていくのかもしれない。

来年はよりグッドニュースをお届けできますように。読者の皆さま、どうぞ良いお年を――。

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