個人宅では国内唯一の… 西東京市の住宅地に「希少生物」がすむ庭

「自然共生サイト」に登録  4月5日~20日、西東京市で写真展

北多摩では絶滅危惧種の二ホンアカガエルやアズマヒキガエルなどがすむ住宅地のオアシス――そんな個人宅の庭が西東京市にある。庭を手がけるのは、好きが高じてガーデンコーディネーターの資格まで取った小田部家信さん。約60坪の庭は環境省の「自然共生サイト」に国内で唯一、個人宅で登録されており、5日からその可能性を発信する写真展が開かれる。

500リットルの人工池を前にする小田部さん

ジューンベリー、セダム、ギボウシ、ブッドレアといった多彩な植物の間に、90㍑と500㍑の人工池がある庭。その水辺に希少なニホンアカガエルが生息する。さらに今の季節は、周辺にすむアズマヒキガエルたちが夜ごとに産卵に訪ねてくる――。

「アズマヒキガエルは時々水に浸れば生きられるので、この水場で十分なんです。地域みんなで育てている気持ちです」

そう話す小田部さん。

「向こうに海がある」というイメージで庭をデザインしている

NHK「ダーウィンが来た!」でも特集

生物多様性保全地域を示す「OECM国際データベース」にも登録され、NHK「ダーウィンが来た!」などメディアでも紹介されるこの庭の原点は、40年ほど前までさかのぼる。ここで育った小田部さんは、子どもの頃からカエルが好きで、弟と共に庭に90㍑の人工池を作り、当時は近所で捕れたカエルを「放し飼い」にしていた。

小田部さん自身は18年ほど家を離れた時期があったが、その間も両親が池を守ってくれ、小さな生態系が維持された。

今につながる本格的なビオトープ作りが始まったのは、2020年。それまであった大木のクロマツやケヤキを抜き、500㍑の池を作り、色鮮やかな花卉類を植えた。

「この向こうに海がある……そんなイメージなんですね。私も水辺が好きなんですよ」
と小田部さん。

「自分の好きなようにやっているだけ」という小田部さんにとって、カエルの生息もその一つ。必死になってカエルを守ってきたという意識はなく、「池にしても、洗ったりは面倒なので、ボウフラ予防でメダカ、浄化のためにタニシ、水草対策でミナミヌマエビを入れて放ってます」と話す。

会期中、スイレン鉢でできるビオトープづくりのワークショップも
写真展では約30点を展示予定

ワイルドライフ・フレンドリーガーデンに共感

ただ、イギリスで浸透するワイルドライフ・フレンドリーガーデン(野生生物にやさしい庭)の理念には共感しており、カエルやトカゲ、昆虫たちにとってすみやすい環境は意識している。

「ウチだけでなく、地域の中にちょっとした水辺が点在していれば、水生昆虫が生息でき、トンボが飛び回るような昔の風景を再現できるはずです。西東京市には旧東大農場もあるので、環境は整っています」

そんな思いから、ホームページなどで庭の可能性について発信しており、5日(土)から20日(日)には8cho8ma gallery(向台町4の17の8)で写真展「小さな庭の大きな世界」を開く。

正午から午後5時まで。無料。

13日(日)午後1時からはスイレン鉢でできるビオトープづくりのワークショップを開く。こちらは2000円、要予約。詳細は同ギャラリー(☎042・466・9883、8choyama-gallery.jimdofree.com)へ。

[リンク]

O’sガーデン

環境省「自然共生サイト」

 (O’sガーデン詳細PDF

8cho8ma gallery

今日のつぶやき

※同じ投稿をX(旧Twitter)でもしています https://x.com/towntsushin

お知らせ