2024年の年の瀬に、「タウン通信」が伝えてきた地域の今年を振り返った。
元日に地震
2024年は何といっても元日の能登半島地震が衝撃的だった。まさに、「震災はいつ起こるか分からない」。年明け早々から地域でも募金活動があり、行政職員の派遣や耐震補強の拡充措置などが行われた。
本紙では、3月から9月まで7回にわたって大型企画「防災を本気で考える」を連載。各市で「地域防災計画」が修正されるなか、例えば、西東京市の火災リスクは多摩地域でトップクラスという新情報などを紹介した。
給食費が無償に
今年は、公立小中学校の給食費が軒並み無償になった年としても記憶されるだろう。
西東京市では新年度からの無償化を独自に実施。東京都の補助があったとはいえ財政的に負担の大きな事業で、多摩北部では先陣を切る取り組みとなった。その後、東京都がさらに補助金を増やすこととなり、第三子のみの無償化に留めていた小平市は今年度分を全額無償化、東久留米市は3学期の完全無償化を決めている(いずれも来年度以降の実施は未定)。
都が補助金増額を決断した背景には自治体間格差が生じたことがあり、その意味では、西東京市のような先行事例に社会的インパクトがあったと言える。同市の無償化には市民、市議会の働きかけもあったことから、市民の声が政治を変えるという好例となった。
新紙幣に津田梅子
7月には日本銀行券の20年ぶりの改刷もあった。その5000円札の肖像で採用されたのは、小平市にある津田塾大学の創設者として知られる津田梅子。同市では、市内での5000円の買い物で5000円分の賞品がもらえるというキャンペーンも行った。なお、同市の津田町は同学の名称に由来しており、地域との関わりは深い。
目立つクラファン
この1、2年で急速に広まりを見せているのが、公的な活動に関するクラウドファンディング。今年は目立つところで、小平市平櫛田中彫刻美術館記念館の改修工事、小平市鈴木ばやしの保存活動、西東京市の公園遊具リニューアル(ふるさと納税型)、小平市合気公園開園(同)、清瀬市ひまわりフェスティバルなどがあった。この方式は定着し、今後のスタンダードとなりそうだ。これも一つの市民参加の形と言えるだろう。
周年記念事業
3月には多摩六都科学館が30周年を迎えた。なお、同館は22日まで、圏域の市民の入館料が半額になる「たまろくとウィーク」を開催中。
続いて6月には、清瀬駅、ひばりヶ丘駅の開業100周年の事業もあった。両駅とも、この地域がベッドタウンとして発展していくうえで多大な貢献を果たしている。盛大なイベントが実施され、ひばりヶ丘駅については先日9日㈪にも限定400シートの記念切手が発売されている。
東伏見にキャンパス(グラウンド)がある早稲田大学のア式蹴球部(サッカー部)も100周年の節目で、8月には新国立競技場で早慶戦を行った。
この100年の間に、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎さん、日本代表最多得点記録保持者の釜本邦茂さん、日本代表を務めた岡田武史さん、西野朗さんなど錚々たる面々が東伏見から巣立っている。
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実は本紙にとっても、今年は出来事の多い年だった。独自のポスティング配布に着手し、現在は、新聞折込配布と並行している。ウェブサイトも駆使し、来年はより一層、有益な地域情報をお届けしていきたい。
読者の皆さま、どうぞ良いお年を――。