清瀬の養蜂の行方

清瀬市の養蜂が岐路に立っている。

2014年から市庁舎屋上で養蜂を行い、地域ブランド化してきたユニークな事業だが、スタート時から手探りで今の形にまで作り上げた職員・海老澤雄一さんが異動となり、新たなメンバーでの事業継続ができるかが課題となっている。

養蜂のスペシャリストにまでなった海老澤さんの配置換えの背景には、実は、何度か蜂に刺されたことによるアナフィラキシーショックが影響している。命がけで行う事業ではないことは明白で、市は、委託できる業者がいるかも含めて検討している最中だという。

もともとこの養蜂事業は前副市長の発案によるもので、農と緑のまちをPRするという狙いで始まっている。当初は、広報的な意味合いが強かったように思われる。ところが、海老澤さんを中心に職員が底力を発揮し、いつしか、関連商品が多数生まれるまでになった。小学校の授業ではミツバチを入り口に環境問題などが扱われ、子どもたちの作詞作曲によるテーマソングまで生まれている。まさしく、農と緑のまちのアイコンとして、地域で愛されるようになったわけだ。

ここで止めることは、それらを手放してしまうことになる。あまりに惜しい。

ハチたちは現在冬眠中だそうで、そろそろ動き出す頃。決断は待ったなしだ。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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