清瀬の市役所産“はちみつ”  「ふるさと納税」返礼品に

珍しい「市職員の手作り」

清瀬市では今年度から、ふるさと納税の返礼品として“市役所で作ったはちみつ”をプレゼントしている。

市職員の手で作った食品を返礼品にするのは全国的にも珍しいことから現在注目を集めており、4月からスタートしたにも関わらず、既に昨年度のふるさと納税者数を上回る勢いとのこと。

ふるさと納税の返礼品にも利用されている清瀬市役所産のはちみつ「きよはち」

「清瀬みつばちプロジェクト」とは

東京都内でも自然が豊かとされる清瀬市。

だが、そんな同市にあっても緑地の減少は避けられず、自然環境の維持が課題となっている。そんななか、昨年3月から始まったのが「清瀬みつばちプロジェクト」だ。

4階建ての市役所の屋上で、職員がミツバチの飼育を行うこのプロジェクト。

花蜜や花粉を求めて花や樹木を飛び回るミツバチの習性「ポリネーション(花粉交配)」が周辺環境の活性化につながるといい、緑地保全の観点からスタートした。屋上にはミツバチのための花壇や水場などもある。

市役所屋上には農地から飛散した土を再利用した花壇も

現在、6万匹超を飼育

当初は飼育未経験の職員が市内の養蜂家に指導を受け、3つの巣箱を設置して試験的にミツバチの飼育を開始。夏場の防護服での作業などは苦労があったというが、そのかいあってか、現在では11箱(1箱=約6000匹)を飼育するまでになった。

今回、その過程で採れた純度100%のはちみつを、ふるさと納税の返礼品として使用することを思いついたという。

その商品名は「きよはち」。

5000円以上の納税で1人1瓶(80グラム)が贈呈される。先着50人。市役所で受け取るか、または国内なら市の負担で郵送する。

なお、同市では、今年の生産量100キログラム(おおよそ1250瓶)を目指している。

養蜂を紹介する清瀬市職員。作業は市の総務課営繕(えいぜん)係職員4人が交代で担当している。当初は「女王蜂を見つけられない」などの苦労もあったとか

財政状況が苦しいなか、「市のイメージアップに」

同市は、歳入を歳出で割った「財政力指数」で見ると多摩26市中で最も低く、財政は決して芳しいとはいえない。

昨年度12件だったふるさと納税だが、今年は4月1日から28日の約1カ月の時点で、それを上回る13件。市外からの納税も既に6件(昨年は2件)あるとのことで、今後の更なる市財政への寄与が期待されている。

また、同市の昨年度の歳出における民生費は全体の55%(約160円)を超えており、多摩26市中1位。高齢化率は同2位で、福祉費用が大きな負担となっていることから、自然環境の維持と共に、“健康増進”は重要な課題となっている。

はちみつが市の特産物になることで、市民の健康増進に貢献することも期待される。

同市財政課の戸野慎吾課長は、「まだ試行の段階で金額として大きいといえませんが、自治体として独自色を出していくことが重要だと考えています。清瀬のイメージアップにつながれば」と話している。

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