清瀬小5年2組が、みつばちの応援歌を作詞・作曲 ラジオで放送も!

清瀬市立清瀬小学校の5年2組の児童たちが、清瀬市が行う養蜂をPRする曲「清瀬の町で」を作詞・作曲し、合唱を収録した。

すでに曲は、地元のFMひがしくるめ(85.4MHz)で何度か放送されている。

♪きよせの町で〜 ぶんぶんとぶよ〜 名前はきよはち〜 おいしいハチミツ採れる〜♪

といった耳馴染みの良いフレーズが繰り返されるこの曲は、作曲アプリを活用してみんなでメロディーを選び、音楽が得意な子が仕上げる形で作られた。

(曲をBGMに、児童たちの様子やインタビューをまとめた動画は以下)

市職員の出前講座をきっかけに

曲作りのきっかけは、7年前の事業発足時から養蜂を担当する清瀬市職員・海老澤雄一さんの出前講座。

昨年7月、「総合的な学習の時間」で清瀬市の養蜂を紹介する授業が行われ、児童たちの地域や自然への関心が高まった。

養蜂について紹介する市の担当職員の海老澤雄一さん

清瀬市は2014年から、地域振興事業の一つとして庁舎屋上で養蜂を行っている。

養蜂は緑や農業との関連が深く、採れたハチミツはさまざまに活用できることから、清瀬市は養蜂を活用したまちづくりに取り組んでいる。

採れたハチミツを「きよはち」の名称で地域ブランド化し、ふるさと納税の返礼品にしているほか、地域の食品等事業者と連携して、菓子やドレッシング等を開発・販売している。

昨夏は高島屋のプライベートブランド「ジェラテリア・パンチェーラ」とのコレボレーション企画で「はちみつチーズジェラート」を限定販売したところ、初日で予定数が完売するなどの大反響を得た。

また、地域の緑化推進のため、苗の無料配布なども続けてきている。

コミュニティFMの後押しで作曲

出前講座によってそうしたみつばちと地域とのかかわりを知った児童たちは、みつばちのために自分たちにできることを考え出すようになった。

5年1組と3組の児童たちは、「清瀬の環境を守ろう!」などと自然環境保全を呼びかけるポスターを作成。
対して2組の児童たちは、テーマソングの制作を検討した。

ところが、実は一度、テーマソング制作は見送られている。ポスターなどと異なり、作っても聞いてもらう手段がない、という判断からだ。

代わりに2組の児童たちは、「みつばちのために、地域の環境を良くしよう!」と、近くの清瀬金山緑地公園に出かけ、地域清掃に取り組んだ。

そのときに偶然、出会ったのが、地元のラジオ局「FMひがしくるめ」でパーソナリティーを務める柳瀬ゴローさん。

その際に、「小学生が地域のことをレポートする」というラジオ放送の打診があり、担任の原田真里江教諭が「ラジオならテーマソングを流せるんじゃない?」と児童たちに提案。
児童たちは、「確かに! やっぱりテーマソングを作ろう!」と再びやる気になった。

作曲アプリを活用し、10人で制作 バージョンアップも計画中

そのようにして始まった曲作りは、10人による音楽グループによって進められた。植木稔久さん、大橋拓さん、大藪優子さん、片山美空さん、木下穂高さん、関根駿介さん、洞筒琉良さん、友久尊さん、宮川紬さん、依田知笑里さんの10人だ(五十音順)。

10人は公園に集まり、作曲アプリを活用してメロディーを選択。

それを、両親共に音楽を生業とし、自身もピアノを習っているという依田さんが最終的にアレンジし、歌詞も付けて、完成させた。

「清瀬のこと、自分の町のことを知ってほしいと思って、難しい言葉は使わずに、自分の気持ちをそのまま入れました」

と依田さん。

完成した曲は合唱して教室で録音。そのバージョンが、約束通り、柳瀬さんが司会を務める番組「ゆったりくるめラ」(金曜・午前10時〜)で何度か放送されている。

ところが児童たちは、「ラジオで流れたのはうれしいけど、へたくそだなぁ……と思った」「声がそろってないし、音もずれている」「なんか違和感がある……」とさんざんな自己評価。

もう一度撮り直そうという話になり、次は、打楽器などを入れて伴奏を充実させ、手話も入れて動画にしよう、ということになった。

取材時はちょうど楽器の担当者を選ぶ段階で、受け持ちたい楽器をめぐってじゃんけんで盛り上がるシーンなどが見られた。

曲作りに関わった児童たち。中央でプレートを持つ女児が、曲の仕上げなどをした依田さん

「市のイベントなどで曲を使っていきたい」

一方、曲が作られたことを知った市職員の海老澤さんは、「感動した」と児童たちへの感謝を口にする。

隣接する清瀬小学校にはどうしてもみつばちが行ってしまうため、これまで、「子どもたちが刺されるかもしれない」と意見されたこともしばしばあったという。そうした経緯があるだけに、今回、児童たちが進んで曲やポスターを作ってくれたは驚きだったと振り返る。

「本当なら子供たちにこの現場を見てもらいたいのですが、刺されるなどのリスクを考えると踏み切れません。
それでも何とか養蜂の意義を知ってもらえないだろうか……と思っていたところ、今回、小学校のほうから出前講座を呼んでいただきました。

私としては、それだけでも大きな喜びです。それに加えて、歌やポスターまで作ってもらえるなんて…。

養蜂を続けてきて良かったな、と思います。曲も、本当に耳に残る良い歌で、ありがたいです」

と、海老澤さん。

今後は、この曲をみつばち関連のイベント時などに使っていきたいとのこと。

なお、清瀬市ではこの5月連休明けに新庁舎への移転・稼働を予定しており、3月12日には、職員に先駆けて、みつばちの巣箱が屋上に移設された(その様子はこちらの記事へ)。

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