
独自の「振動療法」で、腰痛や関節痛などの改善、外反母趾治療、さらには小顔づくりなどを行っている田無駅そば「印田整骨院」の印田隆一さん。遠方からも来院者があるという同院の治療の特徴は、骨格の歪みを矯正することで症状改善を図ろうとする、整骨院らしいアプローチにある。その独特な治療法について、話を聞いた。

田無の地で先代から80年超
――本題に入る前に、印田整骨院についてご紹介ください。
「父が開業していた整骨院を私が継いだのが約50年前。父の代から数えれば、80年くらい田無の地で営業しています。交通事故やスポーツによるケガなど、一般的な整骨院の治療も行いますが、今は、外反母趾や側弯症、顎関節症など、『どこの病院に行っても良くならない』という症状の方が、遠方からもいらっしゃることが多いです。数年前に移転し、現在は、田無駅前のリヴィン田無のそばにあるマンションの一室で治療を行っています」
――独自の治療法をなさっていると聞きました。
「私が考案した振動療法です。特許も取得している波動療法器で骨にコツコツという微弱な振動を送り、骨格が本来の姿に戻っていくように施術しています。どこにもない治療法なので、最初に受ける方は『これで本当に効くの?』という表情をされますが、数回通ううちに『ここに出会って本当に良かった』と喜んでいただいています。なお、波動療法器は、ドクター・中松(中松義郎)さんの創設で知られる『世界天才会議』で受賞もしています」

「骨格こそが全ての土台」
――大変失礼な聞き方になりますが、本当に効果があるのでしょうか。
「なぜこういう治療をしているのかを、説明する必要があると思います。
私が行っている治療は、端的にいえば骨格の矯正です。なぜ骨格を矯正することが有効かというと、骨格こそが全ての土台だからです。骨があり、そこに肉がつき、内臓や脳が収まっているのです。
もし骨格が歪んでしまうと、筋肉や靭帯の付き方もバランスを崩し、内臓や脳にも影響します。一時的なことならいいですが、それが加齢とともに固定化してしまうと、慢性的な痛みや不調、急性疾患につながりかねません。
そこで骨格を矯正したいと考えたわけですが、ごりごり骨を押しても、硬い骨の形を変えられるわけなどありません。無理やり続ければ、損傷につながります。
では、どうすれば良いか。あれこれ考えた結果、たどり着いたのが振動・波動でした。ただ力を加えるのではく、波動を送り込むことで骨の中で共鳴し、大きなパワーを内側から起こすことができる。この波動療法器は、先端を丸くするなど、波動を起こしやすい形状にしています。これで骨に振動を与えることで、固まっていた部分がほぐれ、本来あるべき形へと骨格が矯正されていくのです」
――一度で効果が分かるものですか?
「すぐに効果を感じていただけると思います。ただ、そこは症状次第なので、重度の方の場合は、何度も通っていただく必要があります。外反母趾などは、骨が固まってしまっていますから、すぐに改善するのは無理ですね。でも、治療は痛みがないので、続けやすいはずです。五十肩や腰痛、関節痛などは、比較的早く、楽になったと感じていただけるでしょう」

施術の流れ――足から頭蓋骨へとアプローチ
――具体的な治療の流れを教えていただけますか?
「まずは症状の確認。そのうえで治療に入りますが、正直言って、外反母趾でも顎関節症でも、関節痛、腰痛などでもやることは同じです。
足と顎の治療の中身が同じなの? と不思議に思われるかもしれませんが、結局私が行うのは骨格全体の歪みを正すことなので、局部だけにアプローチということはしないのですね。特にご年配の場合は、長年の蓄積で歪みが定着してしまっていますから、全体的に少しずつ矯正していくことが重要なのです。
具体的には、足のかかとから治療に入ります。足の裏は、地面に接し、人体を支える最も重要な土台。全ての物事がそうであるように、まず土台から修正していくことが大事です。そうでなければ、いくら時間と手間を掛けても、表面上の治療にしかならないと思います。
土台となるかかとのズレを矯正し、足首、膝、恥骨、腰骨、背骨、首、そして頭蓋骨へと順番にアプローチし、最終的に全体の矯正を行っていきます。ズレが根付いてしまっている方の場合は、これを数度に分けて、繰り返していく必要があります。骨格全体があるべき形になっていくので、かなり矯正されると、生まれ変わったような体の軽さや調子の良さを感じていただけるはずです」
「七因三方」から見えた、行うべき治療法
――どうして、そのような治療法に行きついたのですか。
「私自身は、柔道整復師としてこの仕事をスタートし、その後、治療への関心からさまざまな勉強を重ね、医学博士、中医師、医療気功師、波動療法師、スポーツドクターなどの肩書を得ました。
そうした勉強・研究の中で見えてきたのが、『七因三方』という概念です。『七因』は、病気には七つの原因があるとするもので、▼外的要因、▼内因的要因、▼経絡・経穴的要因、▼ストレス的要因、▼構造形態的要因、▼前世的要因、▼複合的要因、が挙げられます。
『三方』はそれに対する治療法で、▼構造形態的な対応、▼経絡・経穴的な対応、▼病理・解剖学的な対応、となります。
今の医療では投薬や手術を用いる『病理・解剖学的な対応』が主流で、補佐的に、鍼灸や指圧などによる『経絡・経穴的な対応』が活用されていますが、改めて見ると、『構造形態的な対応』が欠けていることに気づいたのです。
そこで私は、西洋医学・東洋医学の部分はほかの方にお任せし、盲点となっている『骨格』へのアプローチを自分の専門領域とすることにしました。骨格は人体の核ですから、やればやるほど、その重要性に気づかされます」

「外反母趾なら、手術の前に一度ご相談を」
――最後に、読者にメッセージがあれば。
「痛みの強いときにはどうしても対症療法に頼ってしまいがちです。それはよく分かるのですが、痛いとか、咳が出る、熱が高い、といった症状は、本来、症状に抵抗するための生体反応なのですね。それを止めようとするのは、一時的には良いかもしれませんが、根本治療とはいえません。
根本的に症状を改善したいなら、やはり根本からアプローチしなければいけません。私はそのカギが『骨格』、なかでも、かかとからのアプローチにあると考えています。
この治療法に興味を持っていただけるなら、ぜひいらしてみてください。特に外反母趾の方は、手術する前に、相談していただけたらと思います」
■印田隆一(いんだ・たかかず) 1939年、群馬県桐生市生まれ。拓殖大学特設柔道整復科卒業。西東京市(旧田無市)で開業していた父の整骨院を継ぎ、現在に至る。医学博士、中医師、中国衛生部認定気功師、日本スポーツドクターズ協会認定医。
[印田整骨院]
TEL:050-1869-6464
メール
住所:西東京市田無町2-12-10 グレイス本町101号室
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