今年もいろいろありました――振り返る“地域の2023年”

本紙の発行は今号が年内最後。本紙が報じた地域の2023年を振り返ってみた。

4年ぶり開催

新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類」に変わった5月以降、見合わされてきた大規模イベントが復活するようになり、「4年ぶり」の文字が躍った。

代表的なところでは各市の市民まつり。多い年には15万人を集めたという清瀬市の「ひまわりフェスティバル」も、予約制などの条件付きで開催された。

目を引いたのは、同フェスティバルなどで実施されたクラウドファンディング。自治体が絡むクラウドファンディングがさまざまに行われるようになり、市民参加の形の変化を感じさせた。

学校の給食費無償化を求める署名運動も行われた=西東京市で

「食」を巡る運動

クラウドファンディングを行う理由の一つで今年増えたのは、止まる気配のない「物価高」。そんななかでフードドライブや子ども食堂の活動が存在感を増している。また、学校給食費の無償化を求める活動も目立つ。

給食といえば、東久留米市では、中学校のいわゆるスクールランチ方式を全員制の給食にしてほしいという運動が続く。一方、同市同様に都内で3市のみという同方式を採用する東村山市立の中学校では、先頃、2026年度から食缶方式による全員制の給食が導入されるとの方針が示された。

物価が高止まりしそうな状況のなか、特に子どもに関わる「食」の問題は地域の重要課題といえる。来年も注視したい。

縄文時代の暗しを想像させる竪穴式住居も作られた=西東京市したのや縄文の里で

いこいの場が整備

さて、「コロナ」の状況に合わせたわけでもないだろうが、今年は、幾つかの地域のいこいの場の整備もあった。

目立ったのは西東京市エリアで、6月には㈱三菱UFJ銀行が社会貢献で一般開放する「МUFGパーク」(柳沢4の4の40)がオープン。国史跡・下野谷遺跡の一部も整備され、竪穴式住居の復元などが進んだうえ、「したのや縄文の里」の愛称も付いた。また、一時的な措置ながら、保谷庁舎跡に広場が開放された。

同地に隣接する保谷こもれびホールにはネーミングライツが導入され、4月から「タクトホームこもれびGRAFAREホール」の愛称が付いている。

『原爆の記』のアニメ化はプロの手でハイクオリティに行われた

草の根から平和を

最後に、やはり「平和」について触れねばなるまい。ウクライナ情勢の終息は見られず、パレスチナ紛争も劇化。そのようななかで、地域で学習会や交流会が行われていることは、評価されるべきことだろう。西東京市保谷駅前公民館では、来月にも、連続講座が予定されている。

この春には、初代田無市長・指田吾一さんの体験記を元にした『原爆の記』がアニメ化され、現在、西東京市のホームページでも公開されている。同作は、市と、市民団体「非核・平和をすすめる西東京市民の会」の協働で作られた。平和を守るための語り継ぎは重要だ。

軽々には言えないが、この地域で問題となっているPFAS(有機フッ素化合物)の原因は、横田基地の泡消火剤の可能性が指摘されている。軍事・戦争が縁遠いものとは誰にも言えまい。


いろいろあったこの一年。来年はたくさんのグッドニュースを届けられますように――。

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