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「屋敷林」を見直して!  願い込め、市民が冊子を作成 所有者の声も掲載

2017-05-17

願いを込め、所有者の声も収録

地域の人々の暮らしぶりを伝える「屋敷林」の価値を見直してほしい――先頃、西東京市の市民団体「屋敷林の会」が、屋敷林を紹介する冊子「屋敷林 武蔵野に生きて、西東京市の今へ~自然と共生してきた人の営み」を発行した。

冊子「屋敷林」をまとめたメンバーたち。冊子には、屋敷林の自然や歴史、所有者の聞き書きなどが収録されている

かつては生活に不可欠だった「屋敷林」

下保谷4丁目の高橋家が来年市に全面移管されるなど、屋敷林保護の機運が生まれつつあるなか、会のメンバーは、「屋敷林を残していくためにも、多くの人にその価値や魅力を知ってほしい」と訴えている。

屋敷林は、かつての農家などが家の周りに植えてできた樹林のこと。生活に必要な樹木などが植えられ、それらは季節ごとに有効に利用されていた。

たとえば、木々は、防風、防熱、防火、建築資材、薪炭などに重宝され、落ち葉は堆肥にされた。もちろん、カキやウメ、ビワなど食用のものもあった。

これらの利用は昭和30年代までこの地域でも行われていたが、電気・ガスが使われるなど生活環境が便利になるにつれ木々の利用は減っていった。現在では、緑化・景観という面を除けば、生活上ではあまり利用されなくなっている。

減りゆく「屋敷林」をどう守るか

一方で樹林の管理には手間も費用もかかることから、多くの所有者が屋敷林を手放している実情がある。

加えて、管理する土地が広いため相続の際の税負担も大きく、屋敷林はどんどん減っている。

こうしたなか「屋敷林の会」では、「屋敷林は地域の財産」という思いから、屋敷林の価値が広く知られるための活動を続けてきている。

10年前にも冊子を発行しており、その後も、あらやしき公園北の高橋家を主会場に、夏には子ども対象の自然観察会を、秋には、「下保谷の自然と文化を記録する会」と同市社会教育課とともに、地域の産物だった藍やたくあんの歴史を知ってもらうイベントを開いている。

「屋敷林の会」の萩原恵子さんはこう話す。

「屋敷林を樹林として捉え、緑化や自然保護という観点を重視する傾向がありますが、私たちは、それ以上に、郷土の歴史を伝える文化財として見ています。樹木の利用法などを知っていくと、人々の知恵や暮らしぶりが肌で感じられ、感動します」

13人の所有者が、維持の大変さなども吐露

そんな思いもあり、今回の冊子では、屋敷林の役割や樹林の解説に加え、現在の所有者の語りに多くのページを割いている。

市内13人からの聞き書きで、その言葉から、かつての暮らしぶりや管理の大変さ、相続の悩みなどが伝わってくる。貴重な聞き書きとなっている。

なお、冊子の執筆には、「下保谷の自然と文化を記録する会」も協力している。

地域に残る「屋敷林」の一つ

地域に「屋敷林」保護の機運が高まれば

同市では、下保谷4丁目の高橋家を買い取り、特別緑地保全地区に指定するなど屋敷林を評価する姿勢も見せている。

「記録する会」のメンバーの高橋孝さんは「地域の中に『屋敷林を残そう』という機運が高まれば」と期待を寄せている。

なお、冊子はA4判、112ページ。同会で販売している。送料込み1250円。

詳しくは萩原さん(042・423・5796)へ。

下保谷の屋敷林「作左衛門の森」を「特別緑地保全地区」にして! 市民ら、保存活動

「清瀬のうちおり」 国の重要文化財に

2017-03-15

清瀬市郷土博物館が所蔵する、同市および周辺地域で収集された自家用の着物・布地である「うちおり」衣料469点が、国の重要有形民俗文化財に指定された。

清瀬うちおり

生活に密着した普段着がまとまって残っていることや、養蚕や織物を行った多摩地域の家庭の衣料事情を今に伝える点などが高く評価された。

「清瀬のうちおり」は、くず繭や残糸を用いて仕立てたもので、羽織、半纏、襦袢、帯、足袋、風呂敷などさまざま残っている。

詳しくは同館(042・493・8585)へ。

[リンク]

清瀬市郷土博物館

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西武柳沢駅近くに落ちた模擬原子爆弾 『じゃがいも畑へパンプキン』

2015-04-01

「西東京模擬原爆の会」が冊子を発行

太平洋戦争末期、西東京市の西武柳沢駅近くに、模擬原子爆弾が落とされたのをご存じだろうか。

その事実を伝えようとこのほど関連冊子を発行した「西東京模擬原爆の会」に取材した。

冊子編集の会議を行う「西東京模擬原爆の会」メンバー

4.5トン弾に3人が犠牲

本日1日(2015年4月1日)、『じゃがいも畑へパンプキン「西東京市にも落とされた模擬原子爆弾」』が発行された。

作ったのは「西東京模擬原爆の会」。

太平洋戦争末期の1945年7月29日の朝、「1機のB29爆撃機が、上空約9000メートルの高度で北東の方向から現れ、中島飛行機武蔵製作所めがけて一発の爆弾を投下した」(同冊子中から抜粋)。

この爆弾こそ、重量4.5トンの模擬原子爆弾だったという。

狙いが外れ、現在の柳沢1丁目の「しじゅうから第2公園」の東南脇(当時はじゃがいも畑)に落下し、3人の女性が亡くなり、8人が重傷、3人が軽傷という記録が残っている。

長崎と同型・同重量 通称「パンプキン」

落とされたのは長崎の原爆と同型・同重量で、本物の原爆を確実に投 下・爆発させるために投下訓練として使用したと考えられており、黄色に塗装された球体だったのでパンプキン(かぼちゃ)と呼ばれていた。

同冊子では当時の状況を写真や図を交えて詳しく解説。模擬原爆が落とされたときの話なども、体験者から聞き取りを行い記載されている。

同会代表の西田昭司さんは、「模擬原爆がこの地に落とされたことをもっと市民に知ってもらいたいと思い発行しました」と話している。

なお、同冊子(68ページ、頒価500円)は西東京市役所田無庁舎1階の売店でも取り扱っている。

「原爆」は身近だった…… 長崎投下の直前、保谷上空で訓練

”戦争”関連遺跡の「旧跡」 東久留米市で初、文化財に指定

2014-11-19

東久留米市ではこのほど、「武蔵野鉄道引き込み線跡」および「北多摩陸軍通信所跡」の2件を市の文化財に指定した。

どちらも全体の原形が保全されていないため、「史跡」ではなく「旧跡」としての指定。

昭和22年に米軍が撮影した「引き込み線跡」の空中写真。畑の中を引き込み線が敷かれているのが見て取れる

市民が散策する「たての緑道」として整備

東久留米市や西東京市の辺りには戦時中、中島飛行機関連の工場・施設が点在しており、「武蔵野鉄道引き込み線跡」は、中島航空金属田無製造所と東久留米駅を結ぶために敷設された。軍用機エンジンの部品を作るための材料や、鋳造用の砂などが運ばれたという。1944年の敷設で、稼働した期間は短かった。

現在では、その跡地の大部分が、遊歩道「たての緑地」として整備されている。

具体的には、落合川の南の学園町1丁目の踏切付近から南中学校裏までのほとんどが公有地化され、全長約850メートルにわたる遊歩道となっている。

なお、民有地だが、落合川北側には軌跡の築堤が部分的に残っている。また、落合川に架かっていた鉄橋のコンクリート橋台も見ることができる。

現在は遊歩道「たての緑道」として地域で親しまれている

東久留米に軍事施設があったことを後世に伝える

「引き込み線」とは軍用のエンジンを作るための材料を運搬する目的に作られた鉄道の側道で、ここにあった引き込み線の正式名称は「東久留米駅構外線」だった。

現在の東久留米駅周辺は近代的な駅に姿を変えたが、学園町1丁目付近は、わずかにその痕跡が残っており、貴重な戦争遺跡の一つといえる。

同市生学課文化財系系長の上杉ゆりかさんは、「今回市として初めて、”戦争”関連遺跡を文化財に指定しました。かつての東久留米に軍事施設などが存在していたことを後世に伝えていくことが目的です」と話す。

なお、3日 (日・祝)午後2時からは、同市にある大円寺 (小山2の10の1)で「大円寺の防空場見学と講演会」がある。講師は住職で市文化財保護審議会委員の寺本亮洞さん。

また、2月9日 (金)までの午前9時から午後4時30分まで、同市郷土資料室 (滝山4丁目) で企画展示「東久留米にも一あった戦争」を開催。日曜と4日 (月・休) 休館。詳しくは同課 (042・470・7784)

※編集部注:このイベントは終了していますが、地域のアーカイブ情報として公開しています

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