都内の暁星高等学校に通う3年生( 17歳)の亀井雄介さん。さる7月19日、20日に行われた、「第37回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」で個人&団体のW優勝を飾り高校生日本一に輝きました。
同校は、「かるたの甲子園」ともいわれる同大会で、団体戦に今年まで8年連続で優勝している「競技かるた」の強豪校です。亀井さん自身は高校1年から3年まで同大会団体戦に出場し、3連覇も経験しました。
さらに今年は、その後に行われた7月末の「第39回全国高等学校総合文化祭」のかるた部門の都代表としても3年連続優勝を果たし、高校生の大会で史上初の7冠を達成しています。
中学から競技をスタート
田無に生まれたという亀井さん。小学校進学と同時に東久留米に転居し、小学校から現在まで小中高一貫の同校で学んできました。
競技かるたを始めたのは中学生からです。尊敬する先輩に誘われたのがきっかけでした。
競技かるたはコンマ何秒という一瞬の攻防が繰り返されるので、「感じ(聴力)」の良さなど天性の才能も重要になってきますが、一方で練習や工夫次第で取るスピードは速くできます。
高校3年生で体重45キロと体は決して恵まれているとはいえませんが、その分、肘の曲げ方や指の広げ方など細かい点まで常に工夫しながら強くなっていきました。
大会では1試合に1時間はかかります。それを多い場合は1日7試合。朝から夜まで続きます。
糖分が不足し頭がぼんやりしてくるので、試合の合間には砂糖と塩を“固まり”で補給します。
膝は痛み、季節によっては熱中症対策も必要。7月の選手権では、2日で3キロ痩せました。
「誰よりも一番早く取れた」瞬間が、気持ち良い
競技かるたは激しいスポーツでありつつ、戦略性の高い頭脳戦という側面もあります。
試合中常に神経をすり減らしながらも、いかに集中を途切れさせないか、またどれだけ普段通りリラックスできるかという、相反する命題をこなさなければなりません。
そんななか、何十組と競技している会場で「誰よりも一番早く取れた」と感じる瞬間が、「最高に気持ちが良い」といいます。
この夏は1度も負けませんでした。
「全国で誰よりも多く試合をして、誰よりも負けなかったこと、それが何より嬉しいです」