現在公開中の映画「海よりもまだ深く」。
その多くのシーンが清瀬市の旭が丘団地で撮影されたことは各所で紹介されていますが、実は住宅内部の場面には滝山団地が一役買っています。
ロケには滝山住宅管理組合が協力し、住宅内の撮影には、2年前の撮影時に同組合理事長を務めていた橋村幹生さんが所有宅を提供しました。
撮影に使われたピアノの前に立つ橋村さん。映画では、ピアノを背景に橋爪功さんが腰掛け、樹木希林さんらと向かい合うシーンが出てきます
橋村さん宅のピアノを使用するシーンも
この3LDK住宅でのシーンは、主人公男性(阿部寛)の母(樹木希林)が、クラシック音楽観賞サークルの先生(橋爪功)の自宅での定例会に参加するというものです。そのシーンに出てくるピアノは、元から橋村さん宅にあったものを使用しています。
同住宅が作中で出てくるのは数分程度ですが、橋村さんは「旭が丘では団地の外のロケばかりで、本物の団地住宅の内部が出てくるのは恐らくこの部屋だけ。しかもセリフの中では樹木さんが分譲をうらやむところもあり、作品のリアリティを深めるのに重要なシーンとなっています」と感想を口にします。
作中では樹木さん演じる母の住まいも出てきますが、実はこれは撮影所でのセットとのこと。このセットにおいては、家具や備品など、橋村さんの所有宅から持ち出された品が多数使われています。完成版には使われていませんでしたが、持ち出された家具・備品の中には、破れた網戸もあったそうです。
「映画の内容は、団地の再生と重なります」
橋村さんは、同作に滝山団地がかかわったことについて、「団地再生の起爆剤になれば」と話します。
「かつて輝いた男性が、落ちぶれ、そこからやり直していこうという物語。いま滝山団地(分譲)では再生計画に着手しており、その姿は団地自体とぴたりと重なります」
なお、近隣でのロケ地はほかに、清瀬駅、清瀬市・野塩団地の通称タコ公園、同市中里5丁目にある和菓子店「新杵」、新座市あたご3丁目の「ホルン洋菓子店」などがあります。
同作監督は是枝裕和さん。是枝さんは9歳から28歳まで旭が丘団地で過ごしています。
清瀬市にある旭が丘団地
◎「海よりもまだ深く」公式サイト
2015/5/20
全編 “東村山” が舞台の映画 『あん』 樹木希林・永瀬正敏ら出演
30日から全国で上映 市では企画展など開催 東村山市が舞台の映画「あん」が、30日(土)から公開されます。同映画はドリアン助川さん原作で、出演は樹木希林、永瀬正敏ら。ほぼ全編東村山で撮影されており、美しい映像で描かれる市内の景色は必見です。 映画「あん」のポスター ハンセン病元患者を中心にした人間ドラマ どら焼き店「どら春」の雇われ店長として単調な日々を送っていた千太郎(永瀬正敏)。求人に応募してきた老女、徳江(樹木希林)の作る粒あんは絶品だった。しかし、心ない噂が出始めて……。 どら焼き店 ...
ReadMore
2020/2/12
東久留米は「日本で最も●●が多い町」だった!?
<地域ネタ掘り出し隊!> 東久留米市(旧.久留米町)が、市制施行前の一時期、「日本で最も人口の多い町」だったことをご存知ですか? 1959年に建設され、大規模住宅団地の草分け的存在となった「ひばりが丘団地」。同団地を筆頭に、63年には「東久留米団地」、68年には「滝山団地」、71年には「久留米西団地」が相次いで完成。 その結果、56年に約1万人だった人口が70年には約8倍に増加。同市は都心のベッドタウンとして発展してきました。 なんでも、当時は「マンション族」ならぬ「団地族」と ...
ReadMore
2018/11/7
日本初、官民共同による町づくり ひばりが丘団地が描く地域社会の新しいあり方
首都圏初の大規模団地として誕生したひばりが丘団地。西東京・東久留米の両市にまたがる同団地を中心とした地域で、日本初の取り組みが行われています。 UR都市機構と開発業者である民間企業が連携して開発からエリアマネジメントまでを行なうというもので、新しい形の“町づくり”が注目されています。 だれもが暮らしやすい町に 「子どもの小学校は近いし、近所にはスーパーからイオンのような大型商業施設まである。病院も一通りそろっています。駅からは少し離れていますけど、バスの本数も多い。車がなくても平気というか。 ...
ReadMore
2019/7/3
町ぐるみで緑地保全 宮崎駿さん代表の会、市と協力
映画監督・宮崎駿さんが代表の「淵の森の会」が、先月、東村山市秋津町の「淵の森対岸緑地」(八郎山緑地)の保全・管理を市と協力し合う覚書を同市と交わしました。 「緑地保全」協力の覚書を交わす映画監督・宮崎駿さんと東村山市の渡部尚市長 同地は市民の寄付を原資に2008年に市が取得。同会が中心になって保全してきました。昨年度にエリアを拡張したことから、今回の覚書となったとのことです。 渡部尚市長との語らいの中で、宮崎監督は「この緑のかたまりは宝物だね」と話していました。
ReadMore
2019/3/14
西東京市のアニメ制作会社「エクラアニマル」に やなせたかし文化賞
西東京市にあるアニメ制作会社「エクラアニマル」が、第1回の「やなせたかし文化賞」を受賞しました。 「アンパンマン」の原作者の名を冠した同賞は、子どものための良心的な漫画等の芸術的活動に贈られるもの。 同社が長年にわたって続けてきた自主制作アニメなどの活動が評価された格好で、豊永ひとみ代表は「一過性ではないところを認めてもらえてうれしい」と喜んでいます。 長年の文化活動に高い評価 同賞は、2013年に他界したやなせさんの遺言で設置されたもので、子どものための芸術文化の向上と振興を目的に、2年に1度贈られてい ...
ReadMore