昨春に猫を飼い始めたことは以前もこの欄に書いたが、ちょうど1歳を迎え、とんでもない事件が起こった。
ことは、あるときホームセンターで見つけた「カシャブン」なる猫のおもちゃ(いわゆる猫じゃらし)に端を発する。トンボやハチを模した4本セットで1000円くらいの安いものなのだが、ちょっと信じられないくらいに猫を夢中にさせる。私はこれまで数匹の猫を飼ってきたが、これほどの猫じゃらしには出会ったことがなく、帰宅後の遊びのひと時を毎日の楽しみにしていた。
が、どうもその魅力は猫にはたまらないものらしく、一度取り出すと終わりがない。あるとき、いい加減こちらも疲れて、カシャブンを放り出した。
ところが猫は、動かなくなったそれにアタックしていき、いつまでも遊んでいる。本当に好きなんだなぁ……とのどかに見たそのとき、事件は起こっていた。棒と結ばれていたヒモが途中から切れて、ハチを模したオブジェがヒモごと口の中に消えていったのだ。
ああっ! と思ったが一歩間に合わず、何とかウンコと一緒に出てくれればと願うしかなかった。
しかし、結論からいうと、素材がフェルトであったことも良くなかったらしい。体内で水分を含んで膨らんでしまったそうで、結局、手術ということになった。
「なんでこんなもの、食べさせたんですか!」
と獣医師からは一喝。返す言葉もございません。
「20~30万円しますよ」と宣告された手術だったが、終わってみれば40万円。でも、感謝しかない。
最近、ようやく復活し、時には夜中に爪とぎをして元気をアピールしてくる。図ったようにこちらの安眠を妨げてくれるが、今はそれすらも愛おしい。ごめんね、ルクちゃん!