他人事でない道路陥没

5月20日(2025年)、ひばりヶ丘駅近くの市道の路面下に縦約160センチ、横約70センチ、深さ約90センチの空洞があることが判明し、深夜の応急処置が行われた。ニュース番組で報道されていたので、ご存じの方も多いだろう。

深さ90センチの穴といえば、人が埋まるほどではないにせよ、小さいとはいえない。当然、八潮市の一件が想起される。折良く西東京市長の記者会見の予定があったので、その場で質問するつもりで出かけた。

が、意外にも、記者会見の冒頭で、池澤隆史市長のほうから「空洞箇所が判明した」と、その対応状況と合わせて発表がされた。事故や死傷者が出たわけではないのに冒頭で詳報した姿勢は評価したい。市が問題意識を持っていることを感じさせた。

会見後、担当部長にさらに詳しく話を聞いた。それによると、八潮市の道路陥没が起きた直後に大きな下水道(幹線)が走る約20キロを巡視点検し、さらに3月上旬までに全路線の道路の状態を担当職員が見て回ったという。その時には異常は見られなかったというから、異変は急速に進んだのだといえる。今回の空洞の原因は、雨水管・汚水管とマンホールをつなぐ部分に損傷があり、そこから土が流れ出たためと見られている。下水道の老朽化が進むなかで、同じような事態はほかでも起こり得る。ちなみに、小規模なものではあるが、この春までの5年間で道路陥没は17件起きているそうだ(けが人は出ていない)。こうした状況に対し、市は下水道ストックマネジメント計画を3年前に策定している。

部長によると、道路下に空洞が生じると、道路がたわんでくるという。今回の件は通行人の通報で発覚しており、担当課が巡視点検しても、異変が急速だと間に合わないことを示唆している。市民一人ひとりが日頃から気にかけ、異変に気付いたら躊躇せずに通報することを呼びかけたい。

(本紙掲載原稿を一部加筆・編集して転載)

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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