東村山市にある国立ハンセン病資料館で、9月27日(土)から12月27日(土)まで、企画展「お父さん お母さんへ ハンセン病療養所で書かれたある少年の手紙」が開かれる。
新たに発見されたハンセン病回復者が家族へ宛てた手紙67通のうち、13通を初公開するもの。
ハンセン病回復者が書いた手紙がまとまって見つかることは珍しいとのことで、社会に出ていくことを目前に偏見や差別に対する葛藤を吐露する手紙などが紹介される。

手紙を書いた人物の同級生によるトークイベント
手紙を書いた人物は菊池恵楓園(熊本県)で中学時代を過ごし、その後、長島愛生園(岡山県)に移って邑久高等学校新良田教室に通った。その間の7年間に書かれた手紙が、今回公開される。
会期中、講演会、ギャラリートークなど、多数の企画が実施される。
なかでも、11月22日(土)のトークイベント「邑久高等学校新良田教室1964-1968」では、手紙を書いた少年と同級生だった二人が当時の思い出を語る。講演する一人は、多摩全生園入所者自治会会長の山岡吉夫さん(※)。

冤罪が今も問われる「菊池事件」にも焦点
また、今なお冤罪が疑われている菊池事件に焦点を当て、12月13日(土)には同事件を扱う映画「新・あつい壁」の上映を、先駆けて9月27日(土)には同映画で主演を務めた俳優・趙珉和さんによる朗読会がある。菊池事件はハンセン病患者が証拠不十分のまま逮捕された事件で、1962年に死刑が執行されている。
上記イベントはいずれも定員130人。ホームページからの事前申込制。
➡国立ハンセン病資料館2025年企画展「お父さん お母さんへ-ハンセン病療養所で書かれたある少年の手紙-」
入館無料。開館は午前9時30分から午後4時30分まで。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。
※山岡さんの名前の「吉」の字は、正しくは「土」に「口」です
【リンク】
◎国立ハンセン病資料館2025年企画展「お父さん お母さんへ-ハンセン病療養所で書かれたある少年の手紙-」
◎菊池事件