新型コロナウイルス感染症の感染拡大による医療崩壊が心配されているなか、北多摩エリアの中核病院「公立昭和病院」でも病床がひっ迫してきていることが分かった。上西紀夫院長は「医療崩壊を防ぐために、感染予防を徹底してほしい」と呼びかけている。

専門病棟が現在70%、月末に100%の予想
公立昭和病院は、第2種感染症指定医療機関および救命救急センターであり、新型コロナウイルス感染症においては特に中等症~重症患者の治療を受け持っている。
昨春から、陽性患者を受け入れるため、40床の「感染コホート病棟」を稼働しており、一般患者と「コロナ」感染者が接触しないように対策を取ってきている。
このコホート病棟は、昨秋までは最多でも15床程度しか使われてこなかったが、ここに来て稼働率が急増。本紙が同院からの回答を得た1月12日(2021年)現在で、70%程度が使用されている。今後、看護体制などの関係もあり、今月下旬には稼働率100%が予定されているという。

急患の増える冬場 看護師不足なども懸念
なお、12日現在での「コロナ」の入院患者は25人ほどで、その半数が中等症~重症とのこと。
症状の重い感染患者の増加に加え、冬季に多い急性心筋梗塞や脳卒中の救命救急などが増えると、看護師の不足などにより、心不全、脳卒中、がんなどの通常の疾患の治療ができなくなり、医療崩壊の可能性がある。上西院長によると「すでに対応が困難になりつつある」という。
「コロナ」感染だけでなく、糖尿病の管理や事故・ケガ等をしないための注意など、地域全体で病院に負担を掛けないための努力が求められている。
「夜に限らず、不要不急の外出を控えてください。また、発熱などの症状が出た場合は、早めにかかりつけ医を受診してください。早期に診断できれば治療により重症化の可能性は低くなります」
と、上西院長は「コロナ」感染予防を呼びかけている。
※編集部注:2021年の情報ですが、地域のアーカイブ情報として公開しています
※編集部注:公立昭和病院の院長は2023年4月に、坂本哲也院長に交代しています
【リンク】