「御門訴事件」を朗読劇で 寄付募集中 

俳優・佐藤俊介さん、地域の劇団関係者らと  シナリオ製本代などにクラウドファンディング

郷土史をテーマにした朗読劇にご支援を――企画会社「おらがまち工房」が5月に御門訴事件を朗読劇で演じる計画を立てており、その運営費をクラウドファンディングで募っています。

代表の佐藤俊介さんは「郷土の歴史を伝えていくことに、ぜひ地域の方々に参加してほしい」と呼びかけています。

 

企画した、俳優の佐藤俊介さん=以前実施した郷土史掘り起こしの台本を手に

埋もれた郷土史を掘り起こす

今回企画されている朗読劇は、この地域の劇団関係者など約10人で「御門訴事件」を演じるものです。5月10日に、御門訴事件の舞台にもなった真蔵院で上演される予定です。

企画した「おらがまち工房」は、映画「シン・ゴジラ」や舞台作品などへの出演歴がある俳優の佐藤さんが主宰する団体で、各地の郷土史をテーマに朗読劇を行っています。

佐藤さんの出身地でもある山形県中山町の明治期のエピソード(水路開削)を演じたのを皮切りに、これまで3作ほど披露しています。

今回は、東京で何かテーマがないかと探すなかで、御門訴事件に出会ったのだそうです。

「御門訴事件は誰でも知っている郷土史ではありませんが、今でも研究している方々がいて、史実がきちんと伝わっています。何より、民衆が立ち上がって主張をしたところに、現代に通じるメッセージがあると思います」

と佐藤さんは話します。

テーマの御門訴事件とは?

御門訴事件は、“減税”を求めて農民たちが立ち上がった明治初期の事件で、強訴にならないよう県庁の門の外から訴えたことからこの名で呼ばれます。約50人が捕縛、少なくとも4人が獄死するという不当な弾圧を受けたため、悲劇として地域に伝わっていますが、一方で、後の自由民権運動につながったとも評価されています。

その歴史を伝える今回の企画への賛同者は集まり出しており、出演者もほぼ決まってきているそうです。

が、課題は運営費。

特に、台本を製本化する予定で、その印刷代が大きいそうです。

「台本を残せば、何度でも地元で再演してもらえるはず。きちんとした形で制作し、図書館などに寄贈したいと思っています」

と佐藤さん。

クラウドファウンディングに挑戦

そうしたことから、今回、ネットサービスを活用したクラウドファンディングに初めてエントリーしています。締め切りは2月27日です。詳細は以下アドレス( https://readyfor.jp/projects/gomonso)へ。  

※編集部注:クラウドファウンディングはすでに終了しており、目標を達成できたと連絡をいただいています。なお、5月に予定されていた上演は、新型コロナウイルスの影響により、延期されました(※2020年4月2日現在情報)。

 

 

 

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