伝統芸能の人形浄瑠璃「糸あやつり人形」を小平から世界、未来へ――一橋学園駅そばを拠点にする「一糸座(いっしざ)」は、伝統芸能を守るのと同時に、ヨーロッパの劇団と共演するなど新たな表現にも取り組んでいる。「地域に根差し、文化の発信地としたい」と、カフェ運営やワークショップなどにも多彩に取り組んでおり、直近でも地元公演を予定している。

「一糸座」は江戸時代から続く糸あやつり人形の流れをくむ一座で、座長の江戸伝内さんが20年ほど前に独立し、小平市に拠点を置くようになった。現在は一橋学園駅そばにアトリエを構え、年に2、3回の地元公演を行うなどしている。
また、金・土・日の週3日で、カフェ「オオワニ通り」も営業。店内には人形や舞台セット類、公演時の写真などを展示し、「ヨーロッパではカフェで人々が交流し、さまざまな文化の発信地となっている」と、地域の文化拠点になることを目指している。全国・海外での公演のため地元に不在の期間もあるが、人形作りや操作のワークショップを行うなど、地域で人形浄瑠璃に触れられる機会を増やそうと多彩に取り組んでいる(ワークショップは個別に実施。応相談)。
伝統と革新と
そんな一糸座が行う糸あやつり人形は、体高50㌢ほどの人形に十数本の糸をつなぎ、上部で操って人形を動かすという芸能。江戸時代元和3年(1617年)には江戸で人気を博していたという記録があり、「三番叟」などの古典芸能や「八百屋お七」などの芝居の演目などがある。
一糸座ではそうした古典を守るのと同時に、現代作品の上演にも取り組んでいる。「泣いた赤鬼」や「星の王子さま」、さらにはカフカの作品なども上演しており、俳優と人形との共演など、新しい表現にも果敢に挑んでいる。
「明治期に人形浄瑠璃が衰退したとき、私の祖父が歌舞伎仕立ての人形芝居を考案し、一世を風靡した。同じ精神で、伝統に縛られず、表現の可能性を探っていきたい」
と伝内さんは話す。とりわけ人形には生命と無の境を思わせるところがあり、作品によって人形が重要な役割を担えると考えているという。
人形で交流の場を
活動の幅を広げている一糸座だが、昨今は学校での公演の機会などが激減し、伝統文化を継承していくことへの危機感を覚えている。そんななかで重視しているのが地域との関わりだ。
「例えばシニアの方たちに人形の操作を覚えていただき、保育園などで童話などを上演していただく。人形を通してそんな交流ができたら、文化も伝わり、地域の輪も広がるのでは、と思います」
と制作を担当する結城民子さん。「まずは一度、見に来てほしいです」と呼びかける。
なお、7日にルネこだいらで「田能久」の上演やトークショーを行う。小平市民活動支援センターあすぴあによる「こだいら人財の森」事業(※要申込、先着250人。本紙発行時点では定員に達している可能性がある。詳細はあすぴあ=☎042・348・2104)。
4月23日㈭から26日㈰にはアトリエで落語の名作を上演する。入場料3500円(学生は1500円)。要予約。
こちらの詳細は一糸座(☎042・313・5205、info.isshiza@gmail.com)へ。
アトリエ・カフェは学園東町1の7の41。
➡︎一糸座
















