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自由研究のネタは「地域」にあり! テーマに困ったらご参照を!

2025-07-23

楽しい夏休みも、宿題だけは憂鬱のタネ。中でも自由研究は、テーマ探しからとなると、これほど面倒なものはない。

そこで「タウン通信」から、自由研究のネタと取り組みのヒントをご指南。もちろん「タウン通信」からのご提案だけあり、テーマは地域に根付いている。この夏も、各所でさまざまな企画が展開されているので、ぜひ足を運んで体感してみてほしい。

(なお、話題があれば、この記事は随時更新していく予定)

(画像はイメージです)

今年は戦後80年 直視するには絶好のチャンス

すでに多くのメディアで企画展開されているが、今年は戦後80年の節目。戦後80年が重要なのは、言うまでもなく、戦争体験者が直接語れる終盤にかかっていることによる。

ということで、戦争体験を語る会が、小平市で企画されている。

企画したのは市民団体「小平市女性のつどい 平和学習会」で、39年にわたって実施してきた平和学習講演会で招いた語り部のほか、同会会員が体験を話す。予定されている内容は以下。

  • 関野清雪さん「学童疎開から逃げ帰って東京大空襲にあう」
  • 田戸サヨ子さん「1945年8月6日 広島の朝 女学校の教室で原爆投下にあう」
  • 浅見玲子さん「故郷、下関市で見た戦時の情景と女性たち」
  • 大西光子さん「縁故疎開先で体験した戦時下の暮らし」

開催は8月23日(土)午前10時から正午まで、小平市中央公民館で。オンライン(Zoom)あり。

会場定員は50人、オンライン定員は20人で、いずれも要申込。申込締切8月20日。申込は下記から。

メール:smyu-1315@ezweb.ne.jp

西東京市では平和を願うつどい

日程は前後するが、西東京市では8月3日(日)午後1時30分から、西東京市田無公民館で「戦後80年 戦争する国づくりを許さないための私の想いを語るつどい!」が開かれる。

市民団体「戦争する国づくりを許さない西東京」の設立8周年に合わせた集会になるが、当日は、87歳男性による「3月10日東京大空襲の体験から」、85歳男性による「田無の空襲の体験を聞くなかで」などの講演が予定されている。

詳細は昆野さん(TEL:090-8315-9987)へ。

柳沢に落ちた模擬爆弾「パンプキン」

関東の子どもたちには、やや遠く感じがちな広島・長崎への原爆投下。実はそれを身近に感じられる場所がある。西東京市柳沢にある「しじゅうから第二公園」だ。

ここには、原爆投下直前の7月29日に、長崎のものと同型の1トン爆弾が落とされている。訓練として落とされたもので、黄色の塗装がなされていたために「パンプキン」と呼ばれていた。

この夏、戦後80年の節目に、その記録を記したプラスチック製の解説版が同公園に設置される(7月29日にお披露目予定)。それに合わせ、8月2日午後2時から4時30分には、柳沢公民館で講演会「西東京市に投下された模擬原子爆弾『パンプキン』」が開かれる。

講師は武蔵野地域の戦争被害を研究している、法政大学中学高等学校教諭の牛田守彦さん。当日は実際に公園まで歩くので、この一日、学習会に参加すれば、自由研究はバッチリだ。現場の写真をしっかり撮って、レポートしよう。

講演会は、7月31日までに申込が必要。下記から申込を。

https://www.city.nishitokyo.lg.jp/enjoy/rekishi_bunka/bunkazai/pumpkinbomb_shijyukara2.html

チラシより

戦争とハンセン病 8/11がオススメ

戦争関係では最後に一つ。

これはかなり重いテーマになるが、本気で自由研究に取り組むなら、国立ハンセン病資料館で開催中の「戦争とハンセン病」がお勧め。

戦争中にハンセン病患者がどのような境遇におかれたのか、▼戦時下のハンセン病療養所、▼日本植民地下の療養所、▼沖縄戦――などをテーマに資料展示する。

出征先のオーストラリアの捕虜収容所でハンセン病を発症した立花誠一郎さんの紹介もあり、学びの多い夏になりそうだ。

ちなみに、会期中にトークイベントが幾つか予定されているが、せっかく出かけるなら、8月11日がオススメ。同日は、上述の立花さんについて語る「しょうけい館語り部による講和会『捕虜と隔離が打ち砕いた人生』」があるうえ、ハンセン病患者を懲罰的に閉じ込めた重監房の特別公開もある。

もっとも、刺激が強すぎるかもしれないので、そのあたりはよく勘案のうえ、ご見学を。

◎国立ハンセン病資料館

理系なら「遊園地の科学」で物理法則を学ぼう

戦争を離れよう。

科学に興味がある子なら、多摩六都科学館で開催中の企画展「遊園地の科学」がオススメだ。文字通り、遊園地のアトラクションを科学的視点でひも解くもの。体験型の展示なので、低学年の子も楽しみながら、理解を深められる。

もちろん、企画展だけでなく、常設展示も充実しているので、そこから自由研究のネタを探すのも良いだろう。

北多摩エリアの5市(西東京・東久留米・小平・東村山・清瀬)で運営する科学館なので、地域に特化した展示が豊富だ。特に、「自然の部屋」では、この地域に住む生き物たちを知ることができるぞ。

◎多摩六都科学館

恒例の「あかりのうつりかわり」など

ガスミュージアムもお薦めスポットの一つ。

こちらでは例年、夏休みに「あかりのうつりかわりと点灯体験」を行っている。

今では熱源として生活のなかで利用されているガスだが、当初は「明かり」として広まった。では、ガス灯の明かりとはどのようなものだったのだろう? そんな疑問に応えてくれる体験型展示で、ろうそくの明かり、ガス灯の明かり、電気照明の明かりと、それぞれを部屋を暗くして実際に体験させてくれる。

8月24日まで1日に3回実施。

ガスミュージアム・ホームページより転載

そのほか同館では、「夏休みはガスミューで学ぼう!」と題し、さまざまなイベント・企画を用意している。

詳しくは下記から。同館は入場無料なので、何度でも出入りできるのも魅力の一つだ。

夏休みはガスミューで学ぼう➡https://www.gasmuseum.jp/topics/20250708

郷土資料室はネタの宝庫 東久留米では昆虫標本展示も

自由研究のネタの宝庫といえば、各市にある郷土資料室はその代表格だ。

歴史に焦点を当てるなら、郷土資料室に行けば幾らでもテーマを見つけられる。清瀬市(郷土博物館)ならば、国の重要有形民俗文化財に指定されている「清瀬のうちおり」。小平市ならば、国史跡指定を受けた鈴木遺跡の資料館。

西東京市(郷土資料室)と東村山ふるさと歴史館では、そのものズバリの「自由研究」応援企画を展開している。

そんななかで、子どもの人気を呼びそうなのが、東久留米市郷土資料室が展開している昆虫標本展示。先日、市の文化財に指定された北原俊幸さん寄贈の昆虫標本は、多摩地域に生息した昆虫の生態を物語る。

7月25日から8月30日までの開催で、7月25日(金)、26日(土)、8月1日(金)には北原さんによる特別解説が、さらに8月2日(土)には「昆虫と私」と題した講演が行われる。

この解説ないし講演を聞けば、自由研究レポートはすらすら進みそうだ。(ちなみに北原さんは元学校教諭)

◎東久留米市郷土資料室

北原俊幸さん寄贈の昆虫標本

困ったときは図書館へ

最後に、図書館について触れておこう。

とにかく困ったときは図書館へ。はっきり言って、これはプロでも同じだ。

図書館は資料が豊富なだけでなく、調べものの手助けもしてくれる。「○○について知りたいのですが…」と気軽に職員に尋ねてみよう。

各市図書館のサイトでも、調べものガイドが掲載されている。

間違っても、チャットGPTに代筆させないように。楽だけど、それじゃ何も身に付かないぞ。実際に足を運んで、目で見て、体験することが大事だ。

【関連記事】

◎国立ハンセン病資料館「戦争とハンセン病」

◎多摩六都科学館「遊園地の科学」

【リンク】

◎西東京市に投下された模擬原子爆弾「パンプキン」

◎ガスミュージアム

◎東久留米市郷土資料室

[戦後80年企画]地域紙が伝えてきた「戦争」 タウン通信の記事から

西東京市の市民課がより便利に! 事前予約10/1~

2026-09-17

西東京市の市民課窓口がより便利に!

10月から、来庁の予約ができるようになります。
予約受付は9/24~。

また、マイナンバーカード関連の専用窓口を開設するとのこと。

ちなみに、東久留米市も10月から市民課・保険年金課の窓口事前予約をスタートします!

#西東京市 #東久留米市 #窓口予約 #マイナンバーカード手続き

さくらジュニアオケ演奏会 27日㈰、小平の高齢者施設で、無料

2026-09-16

小平市を拠点に活動する「さくらジュニアオーケストラ」の演奏会が、27日㈰午後2時から、同市の高齢者施設「プラチナ・ヴィラ小平」(鈴木町1の85の1)で開かれる。

子どもの居場所づくりに取り組んでいる「こだいら・自分らしさ学びの広場」が招いて実施するもの。同会では普段、日曜日に同施設を会場に誰でもふらりと寄れる場を設けており、今回、子どもたちに生の音楽に触れてほしいと企画した。

鑑賞無料。詳細は近藤さん(ns500m0803@gmail.com)へ。

➡Instagram「こだいら・自分らしさ学びの広場」

認知症支えて30年 「西東京ゆとりの会」が記念の集い

2026-09-16

認知症の家族会「西東京ゆとりの会」が今月、発足30周年を迎え、9日に記念の集いを開いた。

現在介護中という人から、すでに認知症の家族を亡くされた人まで約30人が参加。市の担当課や地域包括支援センターの職員、山田病院の認知症認定看護師らも駆け付けた。認知症の妻と参加する男性の姿もあった。

集まった会員や関係者たち

同会は、当時の田無保健所の主導で「家族交流会」として発足。認知症という言葉もない時代で支援体制が乏しいなか、精神的に支え合ったり、情報交換の場として役割を果たしてきた。名簿を作り始めた2002年以降で164人が登録している。現在の会員は40人。

発足時から会に関わってきた現会長の田村賀代子さんは「気付けば30年。ここで立ち止まらず、今後も一人でも多くの方をサポートしていきたいです」と話している。

なお、30周年に合わせて記念文集を作成しており、同市の各地域包括支援センターで閲覧できる。

30年、会に関わり、現在は会長を務める田村賀代子さん(左)と谷恭子さん

Nゲージ愛好家、集まれ! 9/26㈯、西東京市柳沢でサークル活動

2026-09-16

広い場所がないと存分にできないNゲージ(鉄道模型)を思いっきり走らせよう!――9月26日㈯正午から午後6時まで、西東京市柳沢の集会所(都営柳沢二丁目第二アパート17号棟 1階)でNゲージの「運転会」が開かれる。車両持ち込み歓迎、見学だけでもOK。

日頃から鉄道をテーマに、情報交換やNゲージ制作・作動を楽しんでいるサークル「柳沢鐡道」のイベント。今回、安定して活動できるようになったコロナ禍後で10回目の節目とのことで、新規参加者も募っている。参加無料。

詳細は同会(hosupi_okumoto@yahoo.co.jp)へ。

➡柳沢鐡道

[この町この人]トランペット奏者・塚本義成さん

2026-09-14

(下部に動画あり)

美空ひばり、八代亜紀、吉幾三、サラ・ブライトマンらのバックバンドを務めたほか、ミュージカルのオーケストラなどで活躍してきたトランペット奏者。

60代になった今は、観客を目の前にした小ステージや時には招かれた家で、自分の演奏を届けることに注力している。

10月11日㈰には、15年ほど前から暮らす地元・西東京市の保谷こもれびホールで、自ら率いる「アンサンブル・ドリーム」による「オータム コンサート」を開く。



3歳でピアノを習い始め、文字の前に楽譜を覚えた。トランペットとの出会いは小学5年生の時。学校で楽団結成があり、その選考時に一発目で音が出た。

中高と吹奏楽部に所属し、当時、吹奏楽に実績のあった国立音大へ。正統なクラシックを学ぶ傍ら、ジャズに傾倒し、幅広い音楽に触れた。これが良かった。

「プロは、現場で初めて楽譜を見せられ、顔を合わせたばかりのメンバーとセッションすることがほとんどです。『楽譜も読めて、アンサンブルも理解している』ということで、よく声を掛けていただきました」

弱冠25歳にして、大御所・美空ひばりの専属バンドにも参加。トランペットはバンドの真ん中に位置したため、当時の美空ひばりの歌唱映像には、たいてい自身の演奏姿が映っている。

「直接話せる立場ではなかったですが、コミュニケーションなんて不要なくらい歌唱力がすごかった。リハーサルもなく、本番一発なんですが、バンドが自然と引っ張られていくのです。世界屈指の歌手のバンドも務めましたが、私の中ではひばりさんが一番ですね」

昭和歌謡、ミュージカルとさまざまなバックバンドを務め、なかなか家に帰れないほど全国をツアーで巡った。

現在は、そんなハードな第一線から引き、自分の音楽を届ける活動に切り替えている。

「美空ひばりやレ・ミゼラブルなど『誰か』を見にくる方に向けて演奏をしてきましたが、これからは塚本義成のトランペットを聴きたいという方に吹きたいのです」

実際、直接感想を言われることが多く、これまでなかった経験に、やりがいを新たにしている。

■つかもと・よしなり 岐阜県出身、1985年 国立音楽大学卒業。88年から美空ひばり専属プレイヤーとして東京ドーム不死鳥コンサートなどに参加。現在は、「夢音宅配便」と題した懐かしの名曲コンサートをイベントやホームパーティーなどで披露する活動を行っている。

➡夢音宅配便~懐かしの名曲コンサート
    

#タウン通信 #トランペット #塚本義成 #こもれびホール

練馬に、逸品イチゴのジェラートやパフェを提供する店がオープン

2026-09-14

本日オープン!

練馬区三原台に、自社農園で収穫したイチゴを使用した
・ジェラート
・パフェ
・スムージー
・グルテンフリーの米粉バウムクーヘン
などを提供する
「Ichigo Tokyo(イチゴ トーキョー)」が9/14(月)にオープン。

同園のイチゴは、今春のフランス・マクロン大統領を迎えた晩餐会にも並んだという逸品。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000190472.html

#イチゴ トーキョー #カトウグリーンファーム #加藤農園

武蔵野大学建築デザイン学科の学生が、最優秀賞受賞! 10月下旬にワークショップ実現へ

2026-09-14

祝・最優秀賞!

西東京市にキャンパスのある武蔵野大学工学部建築デザイン学科・伊藤泰彦教授ゼミの学生が、「子どものまち・いえワークショップ提案コンペ」(日本建築学会)で最優秀賞受賞!!

段ボールの家を被ってまちを歩き、子どもたちが自分の居場所を見つける体験を提案するというユニークな企画。
題して「家どかり(やどかり)」。

10月下旬に、受賞した提案を実現するワークショップを開催するそうで、現在、商店街などに掛け合っているところだとか。

これは面白いワークショップになりそうですね!

#家どかり #武蔵野大学

9/20、清瀬聖母教会でコンサート

2026-09-14

フルート奏者の桂綾子さんからご案内いただきました!

9/20(日)、清瀬聖母教会礼拝堂で、フルートやオルガン、リコーダー演奏など。

「音楽と絵画と物語による 聖フランチェスコ 没後800年記念公演」。

午後2時から、入場無料。

詳細は同教会へ。
TEL:042-493-7472

#清瀬聖母教会 #教会コンサート 

ゲーム感覚で、東大和市の魅力を体感! 10/12、ロゲイニング

2026-09-14

狭山丘陵に設定されたチェックポイントを制限時間内に巡ろうという「狭山丘陵ロゲイニング」が、10/12㈪㈷に開催されます。

東大和市の主催で、先着順380人。参加は無料。

詳細は同市ホームページご参照を。
https://www.city.higashiyamato.lg.jp/bunkasports/event/1003707/1011086.html

#東大和 #狭山旧臘ロゲイニング #ロゲイニング

田無ジャズ研究会主催、増渕英紀の酔いどれトーク

2026-09-14

田無ジャズ研究会から、9/26に西東京市柳沢公民館で「増渕英紀の酔いどれトーク・ショー」のご案内をいただきました!

音楽評論家の増渕さんが、世界の音楽を語りつくすというプログラム。
入場料500円。19時~。

お問い合わせは同会へ。
ec4439@yahoo.co.jp

#増渕英紀 #田無ジャズ研究会 

職業能力大の今村遼さん、技能五輪に出場!

2026-09-11

小平市ゆかりの日本代表選手!

職業能力開発総合大学校の今村遼さん(電子情報工学専攻)が、「技能五輪国際大会・ソフトウェアテスト職種」の日本代表に!

中国・上海で22日に開会となる大会で、実務に即したソフトウェアのテスト能力を競い合うとのこと。
この競技は今大会新設のものです。

(小平市・プレスリリースより)

#技能五輪 #今村遼 #職業能力大 #職業能力開発総合大学校

[アーカイブ]世界最北にマイホーム グリーンランドに暮らす 大島育雄さん

2026-09-09

※編集部より 大島育雄さんの訃報に際し、2009年1月に掲載した記事を改めて公開します。東久留米市出身、清瀬市育ちとのことで、帰国時にインタビューさせていただきました。ご冥福をお祈りします。


世界最北の村、グリーンランド・シオラパルク村(北緯77度47分、西経70度46分、北極点まで約1300キロ)に暮らして35年。

隣町まで60キロ、海に面したわずか60人強の村で、クジラやセイウチ、アザラシ、鳥などを獲る猟師として生きる。

現地の女性と一男一女をもうけ、今は孫が7人。北極点に立った最初の日本人の一人でもある。

グリーンランドに行ったのは、日本大学に在籍中、山岳部に所属したのがきっかけ。同部はかねてグリーンランド冒険に力を入れており、文献の整理などでその研究にかかわった。20代前半で生き方を迷い、「アフリカでもどこでもいい。とにかく外国に行きたい」と思いを募らせたとき、グリーンランドを選んだのは自然のことだった。

初めての海外旅行で不安もあったが、心強い仲間もいた。世界的な冒険家、植村直己さんだ。犬ぞりの練習地に世界最北の村を選んだ植村さんとは、1972年11月から、3カ月ほど一緒に暮らした。

犬ぞりで頻繁に出かけていく植村さんを横目にしながら、興味は村の人々に向いた。痛感したのは、自分の生活技術の足りなさ。自分よりも子どものほうが生活力があることに愕然とした。

「まがりなりにも大学を卒業し、日本では一人前のはずなのに、生きるためにするべきことが何もできない。食料や衣類のことを子どもに教わる始末です。それまで生きてきた自分の25年って何なのだろうと考えこみましたね」

1年の滞在をへて帰国するも、イヌイット(エスキモー)を取材したいというテレビ局の同行依頼もあって、3カ月後に再びシオラパルク村へ。そして、そのままグリーンランドに暮らすことになった。

74年8月、27歳のときに現地の女性と結婚。78年には、日大隊に雇われる格好で北極点遠征に参加し、世界で4番目の北極点到達者となった。もっとも「行った、というだけのこと。経験にはなったけど、あまり感動はなかったね」。興味はやっぱり、冒険よりも暮らしのほうに向く。

移住してからの35年で、村の暮らしはずいぶん変わった。欧米強国の”圧力”で、自給自足に近かったイヌイットの伝統的な慣習や食生活は、便利さと引換に失われつつある。かつては口にできなかった豚肉や米、春巻き、野菜などが買えるようになり、発電所ができ、入浴の習慣がなかった村にシャワー施設が常設されるようになった。暮らしやすくなった半面、金稼ぎに追われるようにも……。

収入源となる猟も、欧米強国の理屈を押し付けられて、自由を奪われている。トラバサミ(仕掛けを踏んだキツネなどの足を挟むワナ)は「かわいそう」という理由で使用禁止。クジラはIWC(国際捕鯨委員会)から捕獲できる頭数を制限されている。

「結局は強い者のエゴがまかり通る。エゴっていうのは、裕福になると生まれるもの。貧しいときは、生きることだけで必死だから。しかも、そういうエゴのしわ寄せは、いちばん弱いところに来る。4年ぶりに日本に帰ってきたら、ニュースでやっているのは社員のクビばかりでしょ。ここも同じだな、と思いましたよ」

猟の規制に対して反対運動を試みたこともあるが、最近は自分のするべきことを淡々とやろうと考え方を変えた。

「世界の端っこから大声あげたって届かないもの。お手上げっていうんで、今はのんびりやることにしています」

◆おおしま・いくお
1947年東久留米市の農家に生まれ、後に清瀬市に転居。72年からグリーンランド移住。著書に『エスキモーになった日本人』(文藝春秋)がある。

(※編集部注 2009年1月7日発行「タウン通信」より)

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