地元感に欠ける東京五輪… どうするホストタウン?

いよいよ「東京2020オリンピック」が7月23日(2021年)に開幕する。

が、多摩地区の聖火リレーは公道走行が中止され、地元開催の雰囲気はほとんどない。西東京市や東村山市はホストタウンにもなっているが、選手の受け入れなどはするのだろうか。両市に取材した。

JOC前の五輪シンボルとクーベルタン男爵像

西東京市はオランダ、東村山市は中国と

聖火リレーの公道ラン中止、パブリックビューイングも中止、小中学生の五輪観戦も中止――。コロナ禍の影響とはいえ、これでは、なかなか五輪ムードも盛り上がってこない。

一方で、多摩北部にはホストタウンとなっているところが、2カ所ある。西東京市と東村山市だ。そこはいま、どうなっているのだろう――。

「西東京市は障がい者との共生社会の先進国であるオランダ王国とホストタウンの登録をしています。ただ、ホストタウンというとそこで合宿・滞在・練習などをするところと思われがちですが、そうではありません。それらは当初から予定しておらず、五輪以外の期間に交流を図っています」(西東京市・生活文化スポーツ部スポーツ振興課)

ちなみに今年度の予算額は20万円程度。PCR検査や、選手らの送迎のための費用だという。今後の交流については、

「もし年末あたりにコロナが終息していれば、ですが……」(同)

と、なかなか先行きは見通せないようだ。

キャンプ地も兼ねる予定だったが

対して、東村山市のほうは、中華人民共和国のホストタウンとなっている。五輪中は卓球と女子サッカーの事前キャンプ地も兼ねる予定だった。

「卓球も女子サッカーも、選手と関係者は市内の民間のホテルに宿泊。卓球は市民スポーツセンターで練習、女子サッカーは市に本格的なグラウンドがないため、市内にある民間や国のグラウンドを使用する予定でした。2つの競技で合わせて約50人規模で考えていました」(東村山市・地域創生部東京2020オリンピック・パラリンピック推進課)

昨年度までは事前キャンプのためにおよそ400万円の予算があった。だが、3月の市議会でコロナの影響を考慮した結果、取りやめることに決定。苦渋の決断だった。

今年度は事前キャンプの予算を削って、事後交流のために約450万円の予算を組んでいる。

「2017年に中国のホストタウンとして登録されましたが、非常に残念な結果となりました。五輪直後の交流というのもまだまだ難しい状況なので、1、2年後の交流を考えていきたい」(同)

では、その卓球や女子サッカーの選手や関係者は、どこに滞在するのだろうか。

「一般的には選手村ということになるでしょうが、国によって対応は違うかもしれません。中国の詳しいところまでは把握していません」(同)

五輪競技そのものも無観客がほとんど。各種イベント、交流も中止を余儀なくされて、まさしく人と人の分断のなか、五輪とパラリンピックは開催される。

「東京大会」といわれてもピンと来ないという読者も多いかも――。

(取材記者・山嵜信明)

X
Facebook
Email

今日のつぶやき

※同じ投稿をX(旧Twitter)でもしています https://x.com/towntsushin

「タウン通信」は東京都の西東京市・東久留米市・小平市と近隣エリアの地域情報紙です。

お知らせ