前号、前々号と飲食店の記事が1面に出た影響か、「コロナ禍に負けずウチも頑張っているので、話を聞いてもらえないか?」と東久留米市のブティックから電話が来た。
お店の名前は「ファッションハウス四季」。滝山団地のそば、同市西部地域センター目の前にある。
店主の佐藤幹夫さん=写真=によると、アパレル業界もコロナ禍の影響は大きく、この2年のうちに店を閉めているブティックが少なくないという。

「そもそも洋服の買い物は不要不急だし、外出や集まりの機会もないから、新しい洋服を買おうという気にもなかなかなれない。固定客のほとんどが中高年者層というのも影響しています」
と佐藤さん。
周囲はシャッター街の様相もあり(片側の隣は空き店舗)、通りに活気が乏しいのもマイナス材料。「孤軍奮闘の気分です」と語る佐藤さんは、積極的にセールを行ったり、チラシを配布するなどして何とか乗り切っているという。
そこで、こんな趣旨の質問をしてみた。
――ショッピングモールやネット通販などがあり、消費スタイルが変わるなかで、こうしたお店が地域で続く意義とは?
それに対する佐藤さんの答えは明快だった。
「良い洋服は触れたときの感触が違う。やはり洋服は触わって買うことが大事です。でも、デパートなどはテナント料もあって、どうしても値引きに限界がある。個性的な良いものを安く販売できるのは、実は地域のお店なんですよ」
それを聞いてふと思ったのが、地域に根差す大衆中華料理店を総称する「町中華」なる言葉。「町中華」をめぐるファンも出ているらしいが、他分野でも、ぜひ、町の〇〇屋さんが見直されてほしい。
同店は6坪ほどの店内に、女性物の衣類が上品に並んでいる。飽きのこないシンプルな洋服を特に揃えているとのこと。月曜定休。電話は☎042・475・5665へ。