畠山さんの自分史

つい先日、西東京市にお住まいの畠山昭裕さんの自分史を納品させていただいた。

畠山さんは、同市ではちょっとした有名人。今でこそ、ご病気もあって一線を退いているが、一時期は60以上ものサークル・市民団体に所属し(ご本人はギネス登録を狙っていたらしい)、地域のイベントでその姿を見ないことはなかった。所属団体が参加しないイベントには自らボランティア参加し、ご本人いわく「現役時代より忙しい」という時期もあったという。

特筆すべきは約8年にわたって務めた民生委員で、一人の民生委員が1カ月に訪問する数は月に10軒程度のところ、畠山さんは、1日でそのぐらいの数を回っていた。訪問すべき対象を4グループに分け、「ほぼ毎日訪問する人」「週に1度でОKな人」などとして、ノルマとしていたという。

通常なら他所の家のトラブルには関わり合いたくないはずだが、畠山さんは臆せずに介入し、さまざまな出来事と出会った。畠山さんの話を聞くと、ワイドショーやドラマの中の話が、本当にすぐ身近にあることを教えられる。

――と、そんな畠山さんの体験を綴った自分史だから、そのボリュームたるや相当なものになった。最初に手書き原稿を受け取ったときには目を疑うほど。積み上げると30センチを超えていた。

そんな大作を1冊に収めるのは到底不可能なことで、結局、「エッセー・現役時代編」「スキー・野球編」「ボランティア編」「民生委員編」の4巻・ボックス入りという仕上がりになった。

「これは、いい枕になるね。皆さんにそう使っていただこう」

完成品を手渡したときに、そんなふうにおどけた畠山さんが、何とも清々しい。

蛇足ながら今、畠山さんは、「健康維持には歩くしかない」と言われた医師の言葉に従って、1日3万歩を歩いている。4、5時間かかるそうだが、「ただ、歩くのはもったいない」ということで、この1年は、路上に落ちたマスクを拾って歩いているそうだ。その数、すでに2000枚を超えたとのこと。

なお、自分史「私の体験記」は、畠山さんから同市図書館に寄贈されている(はず)。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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