子どもたちにリアル体験を! 「小平こども選挙」経て「コダイラコドモクラブ」発足

都内初の「こども選挙」となった「小平こども選挙」を主催したメンバーたちが、新たな活動組織として「コダイラコドモクラブ」を発足した。

こども選挙を通して生まれたネットワークを、さらなる子どもたちの体験の場づくりに生かしていこうというもの。

その第一弾として、2025年9月には、商売を疑似体験するというイベント「マネトレキッズin小平 ゲームで学ぼう! お金の仕組み、会社のもうけ方」を開く。(※イベントの詳細は下記リンク先へ)

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「小平こども選挙」の活動の一場面。中央、スクリーン横の男性が青木佑一さん

PTA会長たちだから見えてくる課題…

同会のメンバーは、元PTAの会長たち。全国的にPTAや青少年対策地区委員会(青少対)などの活動が縮小化していくなかで、「子どもたちにリアルな体験の場を提供し、地域の大人が関わっていけるプラットフォームが必要」と同会を作った。

メンバーの一人、中川晴吾さんはこう話す。

「子どもの心の成長にはいろいろな大人との関わりが大事ですが、現代はその機会が失われてきています。地域と保護者が一体になって子どもを育てる環境を作ることが必要だと感じています」

同じくメンバーの横野亜希子さんは、中間組織の必要性を訴える。

「共働きやひとり親家庭が増え、PTAなどへの現役世代の関わりがどんどん薄くなっている実情がありますが、大変だからと辞めてしまうと、情報を共有したり、本当に困ったときに発信する場を失ってしまいます。意思を伝える機関として、中間組織は必要。できるだけそれを楽しくやることが大事だと思っています」

「小平こども選挙」で子どもたちの力に驚いた

そうした考えから「コダイラコドモクラブ」を発足させるのにあたり、2025年4月に実施した「小平こども選挙」が大きなきっかけとなった。

「小平こども選挙」は、実際の小平市長選挙に合わせて行った模擬投票。選挙権のない子どもたちが実際の立候補者に質問し、一票を投じたもので、子どもたちで「選挙委員会」を作り、運営の一部を担った。投開票日に合わせて行った模擬投票には467票が投じられ、実際の選挙同様、小林洋子市長に最も票が集まった。こども選挙自体は2022年の神奈川県茅ヶ崎市を皮切りに、全国十数カ所で実施されている。

小平市では、元小平第三小学校PTA会長の青木佑一さんが発起人となって、元PTA会長たちが集まり、実施に至った。青木さんは早稲田大学マニフェスト研究所・招聘研究員で、子ども・若者参画研究会の幹事も務めており、2023年に施行された「こども基本法」などを受けて、「子どもが主体的に、社会の一員として生きるために、大人にできることがもっとあるのでは」と以前から考えていたという。

「こども選挙」は、まさに子どもたち自身が意思表示をする機会。準備から終了まで約2カ月を掛けた一連の活動を通し、青木さんはこう振り返る。

「子どもたちには知識と経験はないけれども、選ぶ力と貪欲な好奇心がある。場を与えれば、主体者として十分に動けることを体感しました。子どもの力、前向きな力を、もっと社会を推進していく力にできるのではと思います」

「小平こども選挙」で、立候補者への質問選びで挙手をする子どもたち

自由に企画し、地域をつなげる活動に

今後、「コダイラコドモクラブ」では、「リアルな体験」を一つのキーワードに、さまざまな企画を実施していく意向。

初回となる「マネトレキッズin小平 ゲームで学ぼう! お金の仕組み、会社のもうけ方」でお金について学んだ後は、嘉悦大学の学園祭(11月1日・2日開催)で、実際に子どもたちが軽食などを販売してみることも計画している。

発案者の横野さんは「リアルな体験から学ぶことがたくさんあると思います。私たちの願いとして、自分たちから発信できる子どもたちを育成したいという思いがある。活動のなかで自分が感じたことを発していく体験は、必ず未来に生きてくると思います」と話す。

また、中川さんも「『小平こども選挙』でよく分かったのは、子どもたちはリアルな体験をものすごく欲していて、好奇心もあり、実際にそういう場があるとものすごく頑張るということ。今後もいろいろな体験の場を用意してあげたいです」とコメントする。

同会では、メンバーを固定することなく、企画ごとに柔軟に体制を組み、参加する子どもたちを募っていく予定。企画についても、持ち込みを歓迎していく。

問い合わせはコダイラコドモクラブ(kodaira-kodomo@jhp.jp)へ。

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