ランドセル、運動服、色鉛筆など、必要な人に
不用品譲渡を学校でも――昨秋、小平市小平第五小学校で、ランドセルや運動服、ピアニカ、色鉛筆などの学用品を無料で譲渡する「学用品BatonBOX(バトンボックス)」が行われた。SDGsの観点から取り組まれたもので、学用品は買い替え需要が高いこともあり、企画団体では「ほかの学校にも広げられたら」と話している。
学校では児童主体に運営
「BatonBOX」は、2022年に小平市で始まった取り組みで、町中の協力店などに設置した小型物置を介して、手続き要らずで不用品を譲渡し合う仕組み。東京都行政書士会多摩中央支部の有志メンバーによる「SDGs研究会」が主導している。
同校での催しは、町中の活動を学校に応用したもので、実施に際しては、児童主体の「5・SDGsチーム!」が運営を受け持った。なお、同チームはこのほかにも、廃棄されるTシャツをエコバッグに作り変える活動や動物保護のための署名運動なども行っている。
「BatonBOX」の企画者で、同校での実施の指導にも当たった学校経営協議会委員の柴田明子さんは「小学校では、習字、裁縫セットなどを買いそろえる必要があり、保護者の出費がかさむことが問題となっている。また、小学生は成長が早く、運動服などは年次ごとに新調する家庭もある。不用になった学用品が必要な誰かの役に立てばウィンウィンとなる。今後、より多くの小学校に『学用品BatonBOX』を広めたい」と話す。
子どもたちが経済活動を学ぶイベントの一環で
なお、この催しは、同校青少年対策地区委員会(青少対)主催の「5・GO!(ゴーゴー)マーケット」の一企画として実施された。このマーケットは、小学4~6年生の有志が‶お店〟を出し、子どもたちが″買い物ごっこ〟を通して経済活動を学んでいくというもの。
中には、フードロスを減らしたいと考えた児童が市内の農家に交渉して寄付してもらった野菜の販売もあった。その売り上げは国際連合児童基金(ユニセフ)へ寄付するとのことで、同校の松本雅史校長は「肩肘張らずに経済やSDGsについて学べるのは、素晴らしいこと」と話している。