地域の魅力を伝える曲を数々作り、歌ってきた小平市職員の市川裕之さんが、4月25日(2021年)に、全7曲を収録した音楽アルバム「φ(ファイ)」を発売した。
テレビドラマ「北の国から」の演奏などで知られるギタリストらが制作に協力。コロナ禍で沈みがちな雰囲気のなか、「前を向いていこう!」と希望が込められた作品になっている。

コロナ禍で「生きる希望伝えたい」
市川さんは、本業の傍ら、同市のマスコットキャラクター「ぶるべー」のテーマ曲「サンバDEぶるべー」を作るなど、音楽で地域を盛り上げてきた。地域のイベントで自作を披露することも多く、「歌う公務員」として親しまれている。
本業と区別するため――というわけでもないが、音楽活動のときは「Big 市川」と名乗っており、FM西東京やFMひがしくるめでもパーソナリティーを務めてきた。
そんな市川さんがCDアルバムを作るのは、プロを目指していた20代の頃以来の22年ぶりとのこと。市職員になってからはアルバム制作などは無縁のものと割り切っていたが、昨年のコロナ禍で、大きな心境の変化があったという。
「コミュニケーションも取れず、不安感が増す中で、自分も含めて、苦しむ人が周りにたくさんいました。そんななかで思ったのは、こういうときこそ『言葉の力』が大事だということ。それから、この間のさまざまな感情を書き留めておきたい思いもありました」
と市川さんは話す。

多様な7曲を収録 全てオリジナル作品
今回のアルバムのタイトルは「φ(ファイ)」。数学の空集合を意味する記号で、「答えがないなかで、どう未来を見つめていくか」という思いを込め、命名したとのこと。
7曲が収録されており、全て市川さん作詞作曲のオリジナル。
まっすぐなラブソングあり、クスッと笑えるコミックソングありと、バラエティ豊かなアルバムに仕上がっている。
もちろん、「黄昏学園坂パンク」など地域を歌った曲も。市川さんの歌声も、時に甘く伸びやかに、時におどけた雰囲気でと、多彩だ。
特筆すべきなのは、制作をサポートした面々。プロデュースは、さだまさしさんのコンサートを何千回と支え、「北の国から」の演奏で知られる坂元昭二さん。さらに、デビュー前の星野源さんを支えたパーカッショニスト・山本恭久さんらが協力している。
「『ここまでやるのか!』と驚くほど、細かいところまで曲を磨いてくれました。一つ一つの音が丁寧に伝わるような仕上がりになっています」
と市川さんは感謝を口にする。
そのほか、同じく同市職員の根岸玄さんがベースを担当。ほかにも地域ゆかりのアーティストが関わっている。
「皆さん『コロナ』で大変な思いをされていると思いますが、『みんなで未来を作っていこうぜ』という勢いのある曲がそろっています。ぜひお聞きいただければ」
と市川さん。
アルバム「φ」は2000円。島村楽器立川店・イオンモールむさし村山店(非常事態宣言解除後から)・新宿PePe店(同)、特設サイト(https://onetwolabel.thebase.in/)などで販売。
なお、収益が生じた場合は、しかるべき所に寄付するとのこと。
市川さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「TWO―WHO Night!」がFMひがしくるめ(85.4MHz)で第4金曜・午後8時から放送中。
【リンク】
◎Big Ichikawa(YouTubeチャンネル)