いえまつり

前号発行の朝、日頃お世話になっているTさんがふらりとお寄りになり、「お宅の家族構成が初めて分かったよ」とおっしゃった。この欄で家族のことを書いたからだが、実はあそこでは小学生の娘2人しか登場していない。

「中学生の息子もいるんです」

と答えると、「いやぁ、3人か! お父さん、大変だなぁ!」とお笑いになった。

確かに子どもが3人いると大変なことは多いのだが(自宅で一人で過ごせる時間はまったくない)、面白いこともたくさんある。先週、小4の娘が「土曜日は休み?」と聞いてきた。

「今週なら休めるよ」と答えると、「じゃあ、『いえまつり』をやろう!」と提案してくる。町のお祭りがないので、代わりに家で祭りをやろうという計画だ。

「面白い企画だね。じゃあ、準備しておいてね」

と言うと、さっそく手作りのゲーム(イカ釣りとヨーヨーすくい)を用意し始めた。

計画はだんだん壮大になり、「子どもの時間」と「大人の時間」を分けることに。焼きそばや焼き鳥などを作り置きしてパックに入れ、壁には風船などで飾り付け。音楽アプリで各地の音頭を流すと、見慣れた我が家がちょっとしたお祭り空間になった。

私が子どもたちに提供したのは「射的」と「アーチェリー」のコーナー。100円ショップで小さな鉄砲(及びアーチェリー)を用意し、駄菓子を並べ、玩具や文房具などの多少の目玉品を置く。総額でも3000円程度。ダイソー、サイコー。

と、こんな感じで楽しいひとときを過ごしたが、やはりゲームなどの場では人を呼びたくなる。甥っ子や近所の○○ちゃんらに声をかけたくなるが、ここはぐっと我慢。「祭りというのは、やはり大勢で楽しむものなんだなぁ」と改めて感じた次第。

来年こそ、町の祭りが無事に開催されることを祈りたい。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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