神は細部に宿る

明けましておめでとうございます。

――と書き出してみたが、実はこの原稿を書いているのは12月23日(2022年)。締切の関係上仕方なく、私は西東京市議選の結果も知らずにいる(編集部注 西東京市議会議員選挙は2022年12月25日に実施)。

知らない段階ながらも少し触れておこうと思うが、この選挙はどう捉えるべきか迷うところのある、バラエティー豊かなものとなっている。他市の読者もいるので少し補うと、この市議選には芸人らが複数人立候補している。

むろん、多くの人が立候補するのは良いことだ。問題は市民がそれにどう向き合うか。トップ当選者と当落線上の顔ぶれを見れば、市民の判断はある程度把握できるだろう。個人的には、遺恨を残した市長選挙の影響がどこまで出るかに注目している。もし影響がないならば、この話はここですっぱり止めるべきだと思う。

さて、そんな選挙に際し、昨年最終号で紹介した通り、地元のFМ西東京が政見動画を制作・公開した。これはなかなかすごいこと。当社の規模・陣容ではとてもできない。その自治への真剣な取り組みに拍手を送りたい。

一方で、選挙期間中には、ネット・SNSで、公正な選挙という観点から際どい情報発信も目についた。誰でも自由に情報発信できるこの時代、全ての発信を監視・指導するというのは無理な話だろう。結局はここでも、受け手の判断・態度が問われてくる。

何だかややこしい世の中になってきた。振り回されず、本質を見つめるというのは容易ではない。そんな中で、少しでも地域の皆さまに信頼に値する情報をお伝えしていければ。

そうそう、年末の最終号では、(記事中の表記に対して)「サスティナブルではない。サステイナブルだ」というご指摘を読者からいただいた。まったくその通りで、面目ない。そこまで読んでくださる読者がいることに感謝したい。

神は細部に宿る。一度出したら書き替えられない紙媒体として、一字一句に神経を巡らし発行していきます。本年もよろしくお願いします。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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