マリンバ奏者 今井忠子さん

マリンバだから通じ合える!

小平を拠点に、地域で外国でとボランティア演奏を続けるマリンバ奏者。その活動は年間100日を超えるほど精力的だ。7月29日㈯(2023年)には、80歳を目前に、記念のコンサートをルネこだいらで開く。

年間100日以上ボランティア演奏

共鳴用の金属管を付けた鍵盤打楽器・マリンバに出会ったのは、10歳のとき。その優しく深い音色に魅せられた。

「習う人が少ない楽器だから、学校でも『マリンバ奏者』として有名でした。文化祭などでも演奏させてもらえ、マリンバは自分にとって欠かせないものでしたね」

国立音楽大学に進み、卒業後はオーケストラに所属。すぐに個人指導の生徒を受け持ち、順調に音楽家人生をスタートさせた。

転機になったのは1993年。チャリティーを通して知り合った外国の団体からの誘いを受け、演奏旅行に出かけた。インドネシア、マレーシア、ハンガリー、スウェーデン、アメリカ――。以来、各国を巡る旅を、毎年2、3回、コロナ禍前まで26年間続けてきた。

チャリティー演奏は全て自腹で

驚くのはそれを、全部自腹で行ったこと。マリンバ演奏の個人指導で得たお金を、そのままマリンバの魅力を伝えることに費やした。

「自分にできることを人に伝えたい、という思いだけです。生活費は夫が稼いでいてくれたからできたのです」

マリンバの良いところは、たたけば誰でも音を出せる点。幼児でも車いす使用の高齢者でも、同じように楽器に触れて、一緒に音楽を楽しめる。

「英語が苦手な私でも草の根交流ができたのは、打楽器で通じ合えたからですね」

一年前倒しで、記念コンサート

そんな音楽活動の集大成となるコンサートを29日に予定する。企画の発端は、尊敬するマリンバ奏者が数年前に傘寿記念演奏会を開いたこと。ならば自分も――と傘寿を一つの節目に据えた。が、実をいうと80歳になるのは来夏だ。

「来年のことは分からないから、元気なうちにやっておこうかな、と。来年も元気だったら、またやっちゃおうと思ってます!」

そのかくしゃくとした様子からすると、来夏もコンサートは開かれそうだ。

いまい・ただこ 1944年、福井県出身、小平市在住。公民館、デイサービスなどでのボランティア演奏や、近隣の小中高校のブラスバンド部での楽器指導などを続ける。2010年、東京都社会福祉協議会から感謝状が贈られている。


 「響けマリンバ 名曲こんさあと」は、29日㈯午後1時30分から4時まで、ルネこだいらで開催。今井さんのほか、パーカッション奏者の伊勢友一さんらが出演。曲目はブラームス「ハンガリー舞曲第6番」などのクラシックや、日本の調べなど。

編集部注このイベントは終了していますが、地域のアーカイブ情報として公開しています

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