ソロ社会

この1カ月ほどの我が家は受難続きだった。クリスマスを前に小4の娘が水疱瘡に。高校生の息子はインフルで発熱し、妻は転んで足の指を骨折した。

ようやく年末前にみんなが元気になった頃、今度は私がダウン。年末の12月29日に突如発熱し、40度前後の高熱が1月2日まで続いた。本紙の締切がない時で良かったともいえるが、せっかくの正月を棒に振ることになった。

この間に改めて感じたのは、家族の支えのありがたさとその不在の重みだ。何の戦力にもならない私をよそに家族が正月の準備や大掃除を進めてくれたが、元日にはみんな揃って親戚の家へと出掛けていき、私は家にぽつんと残されることになった。どうせ寝ているしかないのだが、元日に一人と思うと、やはり何か寂しい。咳をしても一人、の心境だ。

しかし、外に目を向ければ、そんな状況の人は世間にごまんといるのだろう。

少子化、核家族化が進むなか、15年後の2040年には国民の4人に1人が一人暮らしをしているという、いわゆる「ソロ社会」の到来が予測されている。これは必ずしも高齢者という話ではなく、非婚化・晩婚化による若者の孤立も含まれている。

むろん、帰省などの風習は続くだろうが、正月など季節の行事・節目を一人で過ごす人はますます増えていくのだろう。

そうしたなか、「孤独」が健康に悪影響を及ぼすことがはっきりしており、一説では一日に煙草15本を吸うのと同じリスクがあるのだともいう。そもそも健康を害したときに一人では対処できないわけで、「ソロ社会」の問題は根深い。わずかながら、それを体感する年明けとなった。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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