Nadiyaの閉業

つい先日、西東京市・小平市にあったウクライナ避難民食堂「Nadiya」が閉業したと知らされ、驚いた。

同店は、西東京市に避難してきたウクライナ人女性に働き場所をと起ち上がった事業で、最初は同市のシェアオフィスを会場にし、後には「小平支店」ができるまでになった。テレビ・新聞でも数度にわたって紹介された。

本場のボルシチが提供され、物珍しさもあって人気となったが、経営が大変だとも聞いていた。昨年末に閉めたとのことで、一定の役割を果たしたということなのだろう。避難者たちが地域に馴染み、人々と交流し、働く場を得られたという点で、その貢献は著しい。

この間、陰に日向に避難者を支援してきたのは、同市に暮らす別當紀人さんだった。昨年8月の本紙コーナー「この町この人」にもご登場いただいたが、ご自身が世界各国を旅して歩き、いろいろな場面で助けられた経験から、「今度は自分にできることを」と支援活動をされていた。

今、別當さんはどんなお気持ちでいるのだろう? 声を聞いてみたいと思い、電話した。……が、お出にならない。

何か新しい活動を始めたのかな? と思い始めた頃、メールが飛び込んできた。

「今、ボリビアのウユニにいます!」

もともと旅行業に携わっていた別當さん。戻りたいという気持ちを持っていたそうで、以前も勤務していたボリビアに渡ったのだという。拝読した瞬間、心が洗われたような、清々しいものを感じた。

なお、地域での支援活動は続いており、今はウクライナ避難者をモデルにしてのデッサン会を定期開催している。5月にはコール田無でその絵画展も開く予定だ。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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