現代の進化論


もはやネットなしの生活が考えられない社会になったが、スマホの長時間使用は、脳の前頭前野の機能を低下させるというデータが揃っている。記憶力の低下などを招くそうで、特に、脳が育つ時期の子どもたちには重大な問題だ。

ところが、先日、知人と話していて考えさせられた。私にはまったくその発想はなかったのだが、知人がこんなことを言い出したのだ。

「ダーウィンの進化論的な生態変化なのかもよ。未来の人類は、第六感が発達しているとか、我々には想像もできない能力を持っているのかもしれないね」

うーむ。つまり、前頭前野の機能低下は一見退化のように見えて、実は環境変化に順応しているということなのか。

にわかに賛同することはできないが、確かに影響として出る記憶力低下などは、ネット社会では大きな支障とはならないのかもしれない。いつでも何でもネットで簡単に調べられるのだから。

1980年代に「新人類」なる造語が流行ったが、あるいは今、文字通りの新人類がこの瞬間に創出されているのかもしれない。

それだけ変化の激しい時代に生きていられるのは面白くもあるが、半面では、恐ろしくもある。この仮説が正しいなら、私が年老いたとき、若い人たちとのコミュニケーションは著しく困難なものになっていることだろう。いや、そのときはAIが仲介してくれるから大丈夫なのか?

[関連記事]

Picture of 谷 隆一

谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

X
Facebook
Email

今日のつぶやき

※同じ投稿をX(旧Twitter)でもしています https://x.com/towntsushin

「タウン通信」は東京都の西東京市・東久留米市・小平市と近隣エリアの地域情報紙です。

お知らせ