もはやネットなしの生活が考えられない社会になったが、スマホの長時間使用は、脳の前頭前野の機能を低下させるというデータが揃っている。記憶力の低下などを招くそうで、特に、脳が育つ時期の子どもたちには重大な問題だ。
ところが、先日、知人と話していて考えさせられた。私にはまったくその発想はなかったのだが、知人がこんなことを言い出したのだ。
「ダーウィンの進化論的な生態変化なのかもよ。未来の人類は、第六感が発達しているとか、我々には想像もできない能力を持っているのかもしれないね」
うーむ。つまり、前頭前野の機能低下は一見退化のように見えて、実は環境変化に順応しているということなのか。
にわかに賛同することはできないが、確かに影響として出る記憶力低下などは、ネット社会では大きな支障とはならないのかもしれない。いつでも何でもネットで簡単に調べられるのだから。
1980年代に「新人類」なる造語が流行ったが、あるいは今、文字通りの新人類がこの瞬間に創出されているのかもしれない。
それだけ変化の激しい時代に生きていられるのは面白くもあるが、半面では、恐ろしくもある。この仮説が正しいなら、私が年老いたとき、若い人たちとのコミュニケーションは著しく困難なものになっていることだろう。いや、そのときはAIが仲介してくれるから大丈夫なのか?
