被災時のトイレ問題

先日、西東京市ひばりが丘公民館からお誘いを受け、「防災芋づる大作戦」と題した連続防災講座の初回を取材させていただいた。

その詳細は次号(※下記に関連記事リンク)で記事掲載するつもりだが、先駆けて、トイレ対策についてお伝えしておきたい。震災はいつ起きるか分からないので、大事なことは早めに紹介するべきだろう。

講座では災害に備えて日頃から心掛けておくべきこと(電子マネーに頼らず現金を持っておく、など)がレクチャーされたのだが、個人的に特に考えさせられたのがトイレの問題だった。被災時のトイレ問題はよく語られることではあるが、▼水不足からトイレ自体が不衛生になる、▼トイレになるべく行かなくて済むように水分摂取を控えることで体調を崩す人が多い、などの事態が生じる。これをクリアする方法として、講座では45リットルなどの大きなビニール袋を便座に被せるという対策が紹介された。ご存じの方も多いかもしれないが、要はビニール袋の中に用を足し、凝固剤を振りかけて、封をするというやり方だ。

講座では「何かトイレ対策をしている人?」の講師の質問に参加者からパラパラと手が挙がったが、詳しく問うと、「非常用トイレが10個ぐらいある」というのがせいぜいなところ。これに対し講師からは「大人は1日5回トイレに行きます」と紹介され、その流れで指名されたある参加者は「ウチは6人家族です……」と心なしか控えめな様子で答えていた。「それなら1日30回分。1週間避難するとして、210回分が必要ですよ!」と言われるとはっとしたような表情をされていたが、これは5人家族の我が家も他人事ではない。

というわけで、この日は帰宅するや、凝固剤200回分をネットで注文。大型ビニール袋も取り揃えた。

災害対策はどうしても飲料や食に目がいきがちだが、排泄も重大問題だ。皆さんもぜひご対策を。

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谷 隆一

「タウン通信」代表。多摩北部にて、2008年から「タウン通信」を発行。
著書に、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『議会は踊る、されど進む~民主主義の崩壊と再生』(ころから)ほか。
当コラムは、地域情報紙「タウン通信」で掲載した原稿を転載したもの。

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