江戸時代に82もの新田を開発した名主・川崎平右衛門に“新しい働き方”のヒントを得ようという学習会が、11月19日(2021年)に小平市ルネこだいらで開かれる。
昨年成立し注目を集めている「労働者協同組合法」の理念や可能性を捉えようというもので、関連の講座も予定されている。
「協同労働の先駆け」と再評価
川崎平右衛門は、江戸時代中期に活躍した名主で、功績が多く、後には旗本に抜擢された。玉川上水沿いへの約1600本の桜の植樹や、洪水被害を受けた玉川上水の修復など、この地域に関わる仕事も多い。
困難といわれた新田開発においては、子守をする子どもにまで報酬(穀物)を与えるなど、働く一人ひとりを公正に評価する方針を取り、それによって地域住民のやりがいや一体感を醸成していった。
自分の働きが即地域のためとなり自身の利益につながっていくこうした実践は、「協同労働の先駆け」とも評価されている。

労働者自身が出資し、運営に関わる
「協同労働」は、労働者自身が出資し、運営に関わるという仕組み。
原則として出資額を問わず一人1票が与えられるため、より主体的に事業に向き合え、やりがいを感じやすい。また、企業のような上下関係がなく、全員が対等という特徴もある。
取り組める業種の制限もほとんどないので、地域においては高齢者介護、保育・学童保育、農業、住宅関連・清掃・管理など、さまざまな分野に展開の可能性がある。
その魅力について、すでに実践しているワーカーズコープ連合会センター事業団の藤田徹副理事長は「格差や分断が地域でも問題になるなか、地域を良くし、共通の利益のために心を合わせていける仕組み」と話す。
なお、同法は来年(2022年)10月の施行。
パネラーに医師・山﨑章郎さん
同法成立を記念する学習会「川崎平右衛門研究会」は、午後0時30分から。パネラーに、小平市で終末期医療に関わる医師・山崎章郎さんほか。1000円(障がい者と学生は無料)、定員300人。要申し込み。主催は川崎平右衛門顕彰会・研究会。
※編集部注:このイベントは終了していますが、地域のアーカイブ情報として公開しています
(取材・三好圭子)