西東京市の小学校で郷土かるた大会

西東京市民による「西東京市かるた製作委員会」が作成した「西東京市かるた」を使用した授業「西東京市カルタで遊ぼう」が、10月13日(2021年)、西東京市立碧山小学校で行われた。

A4サイズの大ぶりなカルタを取り合う子どもたち

学校出前講座として実施

今回の授業は「学校出前講座」として行われたもの。

「西東京市かるた」は、小学校低学年でも楽しみながら西東京市のことを理解できる点が着目され、当日は「西東京市かるた製作委員会」発起人で代表の富沢木実さんが講師を務めた。

授業を行ったのは3年1組と2組。体育館を会場にして、クラス毎の2時間授業。前半は富沢さんが「西東京市かるたの説明」や市の歴史などを説明し、後半に、同じく制作委員のメンバーである徳丸由利子さんが読み手となって、かるた遊びを行なう構成となった。

絵札は、今回の授業用に、A4サイズの用紙にプリントしたものを段ボールに貼って用意をした。また、読み札と授業終了後に配布される解説文には、3年生の配当漢字以外はすべてルビを振り、児童に分かりやすいよう配慮をした。

1クラスを5グループに分け、1グループの人数は3、4人程度。まずは楽しんで興味を持ってもらうことを大切にし、できるだけ多くの児童がかるたに触れられるように考えたという。

かるた取りのルールを説明する富沢木実さん

読み札にある難しい言葉については、かるた遊びをしつつ、その都度説明をしていった。碧山の地名にちなんだ『碧山の夏を彩るカブトムシ』のかるたを読んだときには、碧山森緑地保全地域は、夏にカブトムシが取れることで有名だと説明をし、富沢さんから「夏にカブトムシを取りましたか?」と児童に問いかけて手を上げてもらうなどして、児童の興味関心を喚起していた。

たっぷりとかるた遊びに講じた子供たちは、「自分の知っている場所の絵札が取れた」「友達と遊びながら、西東京市のことが分かってうれしい」「もっと西東京市のことが知りたくなった」と満足げ。単に勝ち負けだけではなく、新しい知識を得たことへの喜びを感じ取ったようだ。

「地域に興味も持ってほしい」の願いが伝わった

学校での使用が目標の一つだったという富沢さん。授業が終わった後は、

「感無量です。西東京市に興味をもってもらいたいという願いが伝わって、とてもうれしいです」

と笑顔を見せた。

「西東京市かるたは3年かけて作りましたが、完成した直後に『コロナ』が広まってしまって。ようやく大会が開けました。高齢の方にも評判が良いので、これからも、もっといろいろな人たちに使ってもらいたいです。かるたは気軽に、安全に遊べますから。なかなか外出しずらい今にぴったりですよね。たくさんの人に愛着をもってもらいたいと思います」

と話してくれた。

地域と学校をつなげることを狙いに

「学校出前講座」とは、今年4月より実施を開始した市内6つの公民館・図書館・社会教育課(教育機関)が連携して取り組んでいる事業で、市内で活動している個人や市民が講師として学校で授業を行うものになる。地域と学校をつなげることを目的としている。

「学校出前講座」田無公民館担当職員 國府方秀喜さんは、

「子供たちには、自分たちが育った西東京市のことを大人になってもずっと心に留めていってほしいと願っています。『学校出前講座』は、先生方にも改めて西東京市を知ってもらう機会であり、講師を通じて児童たちを見るという、新たな視点を得るきっかけになるのではないでしょうか」

と、話す。

また、西東京市教育部 公民館長 高田敦子さんは、

「地域で活動している人たちが講師になる『学校出前講座』は、子供たちが地域の人と繋がる場であり、個人の学びの成果を生かす場所でもあります。それは、自分のもっている知識や学びを還元できるというその人自身のやりがいや生きがいにも繋がるはずです。社会教育が必要とされている今、地域との連携の在り方が重要になります。

『学校出前講座』で学校、市民、公民館との連携がより濃くなり、いろいろな可能性が未来に向かって広がっていくと思います」

と期待を寄せる。

「西東京市かるた」の「学校出前講座」は、来年1月にも3校の小学校で実施が予定されている。楽しく遊びながら、自分たちの住む西東京市を知ることで、児童たちは地域への思いを深め、地域を大切に思う気持ちを育んでいくだろう。

(取材記者・三好圭子)

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