モダンバレエ指導者 伊藤淳子さん

体験で実感 「可能性は無限!」

公演の傍ら、各所で指導も行うダンサー。

この春から、小平市花小金井のスタジオで、新規にモダンバレエの教室を開いている。モダンバレエはトーシューズを履かない自由なバレエダンスで、教室ではスタジオ・ジブリのピアノ曲などに合わせて踊ることも多い。指導者になるまでには「山あり谷あり」のドラマがあった。

23歳で胃がん、全摘

祖母の勧めで幼少時にモダンバレエと出会った。続けていくうちに、勉強も課外活動も忘れるほど夢中になった。

が、育ったのは、宮城県の「田舎町」。当時は閉鎖的な雰囲気もあり、「変わったダンスをしている子」「みんなと一緒に活動しない子」といったレッテルを貼られることになった。

やがて、不登校に。鬱々とした気持ちを抱える日々で、ダンスだけが心の支えだった。

ダンスを究めたい――と、名門の日本女子体育大学舞踊学専攻に進学。卒業してダンサーとして活躍し始めた直後に、再び試練が訪れた。23歳で胃がんを発病。胃を全摘した。

ダンサーとしてはもう無理か……。諦めの気持ちの一方で、若さもあり、「負けたくない」「きっとできるはず」という熱い思いも胸に湧き上がってくる。少しずつ体を動かすなかで、思ったよりもできることに、光が差した気がした。

「また踊れるようになり、舞台に復帰できました。それだけでなく、私は、結婚して、2人の子どもを出産することもできたのです。諦めなければどんなことでもできるんだ、可能性はあるんだ、と実感しています」

レッスン風景

諦めないことを子どもたちに

そんな感動を子どもたちに伝えていきたいと、指導活動を開始。世田谷区や調布市で教室を開き、さらにモダンバレエを広めたいと、この春に小平市でも開講した。

「モダンバレエの魅力は、自由さ。思いのまま、感情を表現できる踊りです。コロナもあって、息苦しい状況にあるからこそ、特に子どもたちに、感情を表出できるモダンバレエに親しんでほしいですね」

いとう・じゅんこ 1981年、宮城県生まれ。現代舞踊協会会員。コンクール、公演等の出演歴多数。


花小金井の教室「まきばバレエ」は、キッズクラス(3歳~小学1年)、ジュニアクラス(小学生)の2クラスを開講。共に月曜夕方に実施。会場はカルチャースタジオ花(花小金井南町1の14の24)。入会金無料、月会費1万円。詳しくは伊藤さん(junkotakano0422@gmail.com)へ。

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