バレーボール

小4の娘がバレーボールの地域クラブに入った。もともとアニメの影響があったところに夏のオリンピックが一押しとなった。

私自身はバレーボールには知識がなく、観戦経験も乏しい。「ニッポン・チャチャチャ」のイメージくらいしかなかったのだが、小学生の試合を見に行って驚いた。声援が凄まじい。何というか、まるで応援合戦の様相で、子どもも保護者も一緒になって声を張り上げている。

びっくりしたのは、その応援の仕方で、リズミカルな決まったフレーズがある。「流れはどっち? コッチ、コッチ!」とか「エル・ユー・シー・ケイ・ワイ! ラッキー」といったユーモラスなフレーズが幾つもあり、それが時に唐突に、時に確認し合ったうえで、飛び出してくる。なるほど、「ニッポン・チャチャチャ」はそういうバレーボール文化の象徴なのだと納得した。

しかし、第三者目線で見ている分には「面白いな」で済むのだが、当事者となると話は変わる。

「じゃ、次は『アゲアゲホイホイ』行きます」

と隣の保護者が真顔で迫ってくるのだが、どうかこちらを見つめないでほしい。この輪に入るのは、私にはハードルが高い。

――という感じで、バレーボール文化に戸惑う日々を過ごしているのだが、先日、強烈なのが来た。練習終わりに迎えに行ったときのことだ。

新入りなので保護者に挨拶して回っていると、私よりも確実に10歳は若い女性から、「あれ? 名前何だっけ?」と声を掛けられた。

「あ、谷です」

と、答えると、

「それは知ってるよ~。下の名前に決まってるじゃん~」

と彼女。

「し、下ですか?」

「そうだよっ~。このチームは、みんな下の名前で通してんのっ」

「りゅ、りゅういちですが……」

「じゃあ、りゅうちゃんだ!」

りゅ、りゅうちゃん!?

しばし絶句していると、先方も異質なものを感じたのか、急にすーっと居なくなった。以来、誰からも、谷さんともりゅうちゃんとも呼ばれずにいる。郷に入っては郷に従え。あの場面は体育会系のノリで、「イイっすね! りゅうちゃん!!」と答えるべきだった。



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