「シチズンの森」で初の体験会 生物多様性の現場を親子15組が体感

地域共生を目的に造られた本社内の緑地で

 生物多様性の面でも地域貢献したい――西東京市に本社があるシチズン時計が4月1日、2019年に敷地内に創出した「シチズンの森」で、初となる生物多様性を学ぶ勉強会を開いた。普段は非公開の「森」を訪ねたのは15組・32人の親子。豊かな森で動植物に触れるなどした。

シチズン時計の本社敷地にある「シチズンの森」。巨木にならないように剪定するなど、管理が行き届いている

151種類の昆虫・クモ、18種類の鳥を確認

「シチズンの森」は、敷地内の老朽化した工場建物を撤去し、土の入れ替えから行って、一から造り出した人工の雑木林。4000平方㍍の広さに、クヌギやコナラなど35種類・約270本の樹木が植えられている。特別公開日となった1日はちょうど桜が満開を迎えていた。

「森」を造った当初はほとんど生き物がいなかったが、この数年で急激に増え、151種類の昆虫・クモと、18種類の鳥が確認されている。この中には、東京都のレッドリストに登録されているセグロセキレイやオナガも含まれている。

落ち葉の下から虫や幼虫を発見。喜ぶ子どもたちの姿が見られた

持続可能な社会へ

本社敷地内に「森」を造ったことの根底には、「市⺠に愛され市⺠に貢献する」という企業理念がある。同社では「サステナブル経営」を掲げ、独自の環境目標を設けるなど、人や環境に配慮したものづくりを進めている。この「森」の創出にも、地域の生物多様性の保全に貢献する狙いがあり、近隣の都立小金井公園や都立石神井公園に類似した植生とした。そうすることで、近隣の公園などにすむ鳥や虫が飛来しやすくなり、地域全体の生物多様性に役立つのだという。

こうした取り組みが評価され、この「森」は、国土交通省の「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)」の第1号として認定されているほか、グッドデザイン賞などにも選ばれている。なお、同社は東京の緑を守り、活用するプロジェクト「東京グリーンビズ」にも参加している。

この地らしい「森」

この「森」は本社敷地内にあるため、普段は非公開となっているが、取り組みを知ってほしいと今回、小学生と保護者を対象に初となる「勉強会」を開いた。当日は、「森」のデザインに携わった㈱KakSak代表の坂巻直子さんによる解説の後、実際に雑木林の中で、虫を発見したり、植物を観察する体験をした。

坂巻さんは「江戸時代に開かれたこの地域では、薪をくべたり、落ち葉を堆肥にしたりと、雑木林を利用して生活してきた。昔を知るという意味でも、この地域らしい『森』になっています」と話している。

シチズン時計

シチズンの森、国土交通省TSUNAG第1号に認定

株式会社KakSak


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