「コロナ」への当院の取り組み

在宅診療NOW

まつばらホームクリニック 松原清二院長のコラム

 

(今回は「まつばらホームクリニック」訪問看護認定看護師・齋藤雅子さんが寄稿)

前回に引き続き、新型コロナウイルスに対する当院の取り組みをご紹介します。

独り暮らしのAさんは、訪問介護とデイサービスを利用しています。

ある日、平熱は35度台なのに36・5度あり、「頭が重くだるい」とデイサービスをお休みになりました。すると、その連絡を受けた息子さんから当院に、「PCR検査を受けさせたい」と相談がありました。

ご心配な気持ちは分かりますが、検査対象でない状態であることを説明し、納得していただきました。

医師は、翌診療日に往診し、平熱であること、呼吸状態が良好であることを確認し、通常の生活を続けるよう指示しました。その後も状態は安定していて、デイサービスにも通えています。

 

感染疑いが強い方への対処

Bさんは、ショートステイ中に高熱と息苦しさのため、自宅に戻りました。

施設内の同じフロアにPCR検査を受けている人がいたことから、当院ではBさんは新型コロナウイルス感染の可能性があると考えて、防護服を着用し、念入りに消毒して、診療に当たりました。

また、専属看護師を選任し、その看護師の訪問先はBさん宅だけに限定しました。さらに、ご家族には家庭内感染予防方法を指導しました。

発症していた肺炎は、点滴治療と在宅酸素療法を行い、治癒しました。その後に、同時期、同じ施設にいた利用者のPCR検査結果が陰性と判明し、安心しました。

 

ケアマネさんからの相談にも対応

ケアマネジャーさんやヘルパーさんからも、発熱している利用者を訪問してよいかと相談されることが増えています。

その際は、感染予防をしっかり行い、サービスの提供頻度を必要最小限にするなどの工夫をするようアドバイスしています。

当院では、発熱と伝えられたその利用者さんに対しては、速やかに往診をしています。そしてPCR検査の対象であると判断した場合には、検査機関に連絡する体制を敷いています。

当院も、防護服や消毒薬が入手しづらい状況にありますが、細心の注意を払って感染予防に取り組みながら、診療に当たっています。

 

「まつばらホームクリニック」紹介記事(動画あり)

プロフィール

松原 清二

在宅療養支援診療所「まつばらホームクリニック」院長。東京医科大学卒業後、複数の病院勤務を経て、2015年5月に同院開院。西東京市を中心に、練馬区・東久留米市・武蔵野市・新座市などの一部地域を訪問診療で回っている。総合内科専門医、循環器内科医。日本循環器学会専門医、日本内科学会認定医、認知症専門医、認知症サポート医。公式ホームページ:まつばらホームクリニック

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