西東京市向台町にある「8cho8ma gallery(はっちょうやまギャラリー)」は、圡方隆一さん・仁美さん夫妻が自宅の一部を改築して開いているギャラリーだ。
オープンしたのは、2023年1月。
「若手作家を応援したい」という思いから、初回は、東京都立工芸高校を卒業した二十代前半のメンバーによるグループ展を開催した。
どんなギャラリーなのか、訪ねてみた。

「コロナ禍」「息子の創作活動」が発端に
ギャラリーは、どんな作品も展示しやすいようにと白を基調にしている。12畳ほどの広さ。
作品や天候によってはテラス部分にも展示ができる。
目の前にショッピングセンター(「サミット」「コジマ×ビックカメラ」)があることもあり、「買い物帰りにふらっとお寄りいただき、面白いな、と思ってもらえたら十分」と仁美さんは話す。
夫妻がギャラリーオープンに踏み切った大きなきっかけはコロナ禍。一人息子が工芸高校を卒業するタイミングだったが、恒例の東京都美術館での卒業展ができず、さらに進学した武蔵野美術大学でも発表の制限を受けていることに胸を痛めてきた。
そこで、ちょうど両親が住んでいたスペースが空いたこともあり、「若手の発表の場を作れれば」と自宅の改築に着手。専門性の高い部分を除き、手作業で行った。
実は仁美さんには、もともとギャラリーを開きたいという夢があったという。
「自分自身が絵画やフィルムステンドをやってきていて、若いときには、あるギャラリーから後押しもしてもらいました。自分もいつか同じことができればと思っていたのです」
と仁美さん。
ギャラリーで地域の発展に寄与したい
一方で、隆一さんは、ギャラリーが持つ地域貢献の面に着目する。
「若手をクローズアップすることで、若い人が外からやってくるようになるはず。『寝に帰る町』ではなく、この市をもっと面白くしたいです」
そんな思いから、将来は、「アートのまち」という構想まで口にする。
「保谷・田無トリエンナーレみたいな感じで、アートのお祭りができたらいいですね。市内には美術館がないので、その分、ギャラリーの連携などで地域を盛り上げられたら。その拠点の一つになれたらうれしいです」
詳しくは同ギャラリー(☎090・4003・5080)へ。
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