無料学習に新たな役割 NPO法人 稲門寺子屋西東京 

理事長・金子正男さんにインタビュー

 経済的理由から塾に通っていない小中学生を対象に、無料の学習教室を続けて16年。先頃、NPО法人「稲門寺子屋西東京」が、一般社団法人日本善行会の表彰を受けた。4月からの新期生募集を前に、金子正男理事長に、その活動の意義や様子についてお聞きした。


善行表彰の盾を手にする理事長の金子正男さん

 ――まずは活動内容を教えてください。

 「経済的格差が教育格差につながってはいけない。そんな理念から、経済的理由で塾に通っていない小中学生への学習指導を無料で行っています。西東京市の田無総合福祉センターと東伏見ふれあいプラザを会場に、元教師や社会人らが少人数制で教えています」

 ――活動16年と聞きました。発足の経緯は?

 「主催団体は早稲田大学のOBによる『西東京稲門会』で、10周年のときに記念事業としてスタートしました。ちょうど経済格差が問題になった時期だったのですが、こんなに長く続くとは想像していませんでしたね」

社会経験豊富な大人との接点を

 ――長く続けるなかで、変化したことや気付いたことはありますか。

 「直近では物価高なども激しく、経済格差はより広がっているのですが、一方で、東京都の高校の実質無償化があり、競争が緩和した印象があります。それと相関しているかは分かりませんが、個性的なお子さんが増えました。最近は、特別支援学級に所属するお子さんの入会もあり、我々の役割に新たなニーズが生じているのも感じています」

 ――というと?

 「『寺子屋』の特徴の一つは、指導者が社会人や主婦など多彩であることです。学校の先生以外に大人と触れ合う機会が少ないお子さんたちにとって、社会経験の豊富な指導陣と深い交流ができるのは、人格形成上でも重要ではないかと考えています。指導の場でも、お子さんとよく話をするように努めています」

授業風景

 ――地域の方にメッセージがあれば。

 「まず入会対象の年齢の方・親御さんには、気軽に3月の説明会に来てほしいです。次に、地域の方には、ご支援をお願いしたいです。指導者も募集していますし、寄付もお願いしています。地域全体で子どもたちを支援していきましょう、と呼びかけたいですね」

3月に入会説明会

 保護者・生徒への説明会及び面談は3月1日㈯と2日㈰に田無総合福祉センターで開かれる。午前9時30分からと10時50分から。

 募集の対象は公立校に通う新小5から新中3の児童・生徒。国語、算数・数学、英語のうち2科目まで。募集は原則年1回。なお、各公民館に募集チラシが置かれている。

 詳細は理事長・金子さん(☎080・4125・1038)へ。

 寄付の銀行振込

 寄付の振込は以下へ。

 三井住友銀行/田無支店/普通口座/4114
594/特定非営利活動法人 稲門寺子屋西東京

【リンク】

NPO法人 稲門寺子屋 西東京

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