花柳杏実衛会長「伝統を多くの子に」
西東京市保谷こもれびホール開館とともに誕生した「こもれび子供踊り教室」が、4月からの新規生を募集しています。
「日本の伝統文化を地域で継承していきたい」と続けている活動で、今や指導者の中にOGの姿も。20年の活動で、延べ受講者は約800人に達しています。
所作を大切に指導 「手は体の外に出た『心』」
「きちんと姿勢を保って! 手は体の外に出た『心』ですよ!」
整列した子どもたちに向けて、同教室責任者で花柳流師範の花柳杏実衛(きょうみえ)さんの声が響きます。
発表会を控えた練習日のある日。発表会が近いこともあり、約40人の子どもたちの表情には緊張がみなぎっていました。
「地域の文化を底上げしよう」と、ホール開館と共にスタート
月に2回、同ホールで見られるこの光景。実に今年度で丸20年になります。
その発足は、同ホール開館がきっかけです。
「地域の文化を底上げしよう」と市民が語り合うなかで、和の文化を継承したいと日本舞踊家が流派を超えて集まり、「西東京市日本舞踊連盟」(現代表は杏実衛さん)が組織されました。
以降、4歳から12歳の男女を対象に指導が続いています。
かっての生徒が、指導者に
その1期生で、4歳で入門した花柳実衛愛里さんは、現在は指導者の一人になっています。昨年末に花柳流専門部試験に合格し、師範となりました。
1回目の受験で合格するのは珍しいそうで、「日本舞踊協会永続舞踊家表彰」の実績がある師匠の杏実衛さんは「この教室で“本物”を教えてきた証し。しっかりした基礎を元に本人が努力した成果で、感無量です」と喜びます。
一方の実衛愛里さんはこう振り返ります。
「日本舞踊とは縁のない家庭で育ったので、ここがなかったら、今の自分はなかったと思います」
費用負担が軽く済むようにと、工夫して稽古
とかくお金がかかるイメージのある日本舞踊ですが、同会ではさまざまに工夫を凝らし、極力負担がないようにしています。
その結果、月会費1500円・発表会への積立500円という、続けやすい料金設定を実現しています。これもまた、「一人でも多くの子たちに体験してほしい」との願いからのものです。
「日本の伝統文化を通して地域の子どもたちの情操教育に役立ちたい」と杏実衛さん。
新期生募集
なお、新期生は定員20人で4歳から小学6年生まで。
月2回・原則日曜日に同ホールで開催。応募は29日締切。詳細は杏実衛さん(042・463・6822)、応募は同ホール(042・421・1919)へ。
(※編集部注 募集は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)