飲食店の“新型コロナウイルス不況”をテイクアウトで乗り切る!
新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が大打撃を受けているなか、料理のテイクアウトに活路を見いだそうという取り組みが東村山市で行われています。
消費者・料理店ともに、テイクアウトメニューを写真に撮り、「#東村山エール飯」のハッシュタグを添えてSNS(Facebook、Twitter、インスタグラム)に投稿しようというものです。
各店の特色や工夫を共有することで、テイクアウトメニューへの関心を喚起し、地域の飲食を盛り上げていく狙いです。
「#東村山エール飯」をPRする、東村山市料理飲食店組合長の萩原繁郎さん(左)と、市内でバーを営む石岡敦さん
「地域の“美味い”を市民の力で守って!」
取り組みがスタートしたのは、3月28日(土)からです。前週の19日(木)に発案され、東村山市料理飲食店組合の主催で、わずか1週間での実施となりました。背景には、言うまでもなく、新型コロナウイルスの影響による飲食店のかつてない売上減があります。
同組合の副代表で、同市栄町でBAR「氣ごころ」を経営する石岡敦さんは「売上が6割から7割も減少している店もある。先行きも見通せず、非常に厳しい」と実情を話します。
同組合によると、市内には約540軒の飲食店があり、そのうち、141軒がテイクアウトメニューを提供しているとのことです。
同組合に加盟する飲食店は市内で約80軒ほどですが、今回は組合の枠組みにとらわれず、市全体で盛り上げていくことを意図しています。
これまではテイクアウトメニューを用意していなかった飲食店にも呼びかけていく予定で、実際、今回新たにテイクアウトメニューを考案したという同組合長でダイニング「MOGU MOGU」を経営する萩原繁郎さんは「うちは、市内でテイクアウトメニューを出す142軒目です」と笑わせながら、以下のように企画の趣旨を話してくれました。
「市民が一人1品ずつテイクアウトしてくれれば、市全体で15万1000食になります。多くの飲食店が死活問題に直面している今、皆さんの力で、東村山の“美味い”を救ってほしいです」
「別府」の先行例を見本に
実は今回の企画には、見本があります。大分県別府市で始まった「#別府エール飯」です。
その取り組みを東村山市に紹介したのは、地域密着の金融機関である西武信用金庫・東村山支店の古屋貴之支店長です。知人のFacebookを通して別府の取り組みを知ったという古屋さんは、「地銀として緊急融資も行うが、少しでも売上を出していくサポートが必要」と「#エール飯」の企画者と連絡を取り、取り組みの形をほぼそのまま、東村山市にもたらしました。
「独自のやり方を模索するよりも、今はとにかく走り出すことが大事」
と古屋さんは強調します。
今回、年度末で予算調整が難しいなか、ポスターやチラシの制作費を同行が負担しています。
市も応援 「職員個人レベルでもSNS投稿を」
地域の飲食店が一丸となるこの取り組みに、市も応援態勢を敷いています。実施日前日の3月27日に記者会見の場を設け、渡部尚市長は「各店舗は、衛生を徹底して営業している。ぜひテイクアウトで、味わってほしい」とコメント。さらに、「市として各店舗の情報を投稿するわけにはいかないが、SNSをしている職員には、個人としてどんどん発信するように指示したい」と話しました。
なお、企画の詳細は同組合のFacebookでも紹介されています。
◎https://www.facebook.com/東村山市料理飲食店組合-101655334574672/
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