19日から、工房仲間と作品展 西東京市の作家・渡辺新吉さん
パーキンソン病を患いながらも創作を続ける西東京市在住の作家・渡辺新吉さんが、染色仲間とともに、9月19日(木)から23日(祝・月)まで、川越市にある「川越・服部民俗資料館」(幸町6の8)で作品展「川越逍遥―染客万来」を開きます。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
二科展出品歴ほか、受賞多数の染色家
染色作品を手掛ける渡辺さんは、若手アーティストの登竜門といわれる「ART BOX大賞展」に3年連続で選ばれたほか、二科展などへの出品歴がある作家です。
東京造形大学を卒業し、デザインと油絵を学んだ後に、「表現の幅を広げよう」と染色に興味を持ったのが染色のきっかけです。1994年から小平市花小金井の「麻生工房」に通っています。今回の作品展は、同工房で共に活動する作家たちと出品する予定です。
(※イベントはすでに終了しています)
渡辺さんの作品の特徴は、デッサン力に裏付けられた明瞭な構図と、多彩な色彩にあります。これまで沖縄やフィリピンなどを好んでテーマにしてきましたが、今回は、川越の蔵作りの街並なども描いています。
若年性パーキンソン病と闘いながら創作
作品展に向けて準備に忙しい渡辺さんですが、実はその活動が順調とは言えません。
渡辺さんは10年ほど前から不調をきたし、2012年に若年性のパーキンソン病と診断されています。
現在の状態はホーン・ヤールの重症度分類で3度。転びやすく日常生活にも支障が出ており、2年前に脳の手術を受けてからは言葉が出にくい状態になっています。
創作活動も、薬が効いているときに集中して行っており、体調は天候にも左右されます。
十分な創作時間が取れず、もどかしい思いを抱えていますが、「今できるベストを尽くそうと意識しています」と渡辺さんは話します。
染色は工程が多く、創作は一筋縄ではいかないとのことですが、渡辺さんは、「創作は、自分にとっては思いを伝える手段。『会話』のようなものです。工程を想像して見ていただければうれしいです」と話しています。
作品展は午前11時から午後5時(23日は3時)まで。型染め、絞り、筒描などの作品が並びます。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)