緑内障は、眼科診療における慢性疾患として継続的な診察と治療が必要です。
緑内障を疑われたら、現在はまず診察と画像による診断を試みます。
目の他の病気を除外したうえで、緑内障がさらに強く疑われれば視野検査を行い、画像検査と視野検査に矛盾がない状況で異常所見を認めた際に初めて緑内障と診断します。
そのうえで、今後の治療方針を患者さんに説明します。
眼圧を下げる
端的にいうと、緑内障とは時間をかけて視野が欠けていく病気であり、治療は唯一、眼圧を下げることです。
まずはその患者さんの目に合う点眼薬を選定します。
その効果で眼圧がある程度下がると7~8割の患者さんの視野欠損の速度は緩徐~停止となり、継続的な診察で効果を確認していきます。
視野欠損の進行が止まらない場合は、さらに眼圧を下げるべく点眼追加となります。
点眼薬を組み合わせる
現在、大きく分類すると8種類の緑内障点眼薬があり、それらはさらに細かく分かれていて、それらの組み合わせによって眼圧の低下を維持します。
多くの方が点眼のみで治療できる一方、点眼では十分な眼圧低下ができない、点眼自体にアレルギーがある等で視野欠損が進む場合は、手術療法が選択されます。
手術について
手術療法は、ここ10年でいろいろな新しい方法が考案され、先日の日本緑内障学会で多くの治療成績が発表されています。
いずれの手術も、いかに眼圧を長期間下げられるか、さらにはより低侵襲であることを目標としています。
緑内障の治療とは、あらゆる方法を用いて、生涯において眼圧を下げ視野を維持することです。
2020/2/18
緑内障治療の動きについて
街かど診療室 保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム 緑内障で眼科に通院している方で、点眼増加や手術に踏み切るなど、治療強化となる場合があります。 今回は、その治療強化の判断基準をまとめてみます。 緑内障の段階を整理すると ①目標眼圧に到達していない場合 緑内障と診断されるにはいろいろな検査が行われますが、未治療の際の眼圧を基準として、そこから20%程度下がるように点眼などで眼圧を下げます。この目標眼圧に到達できない場合、点眼追加などとなります。 ②視野に悪化傾向が認められた場合 目 ...
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2019/9/18
緑内障の治療について
街かど診療室 保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム 緑内障は、眼科診療における慢性疾患として継続的な診察と治療が必要です。 緑内障を疑われたら、現在はまず診察と画像による診断を試みます。 目の他の病気を除外したうえで、緑内障がさらに強く疑われれば視野検査を行い、画像検査と視野検査に矛盾がない状況で異常所見を認めた際に初めて緑内障と診断します。 そのうえで、今後の治療方針を患者さんに説明します。 眼圧を下げる 端的にいうと、緑内障とは時間をかけて視野が欠けていく病気であり、治療は唯一 ...
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2017/7/12
早期発見が重要な「緑内障」
40歳以上の20人に1人が罹患 「ひばり中村眼科」・中村院長に聞く 視覚障害の原因疾患の第1位という「緑内障」。いずれは失明……などと恐れられていますが、「ひばり中村眼科」の中村真太郎院長は「緑内障は早く発見して対処することが大切」と強調します。詳しく話を聞きました。 「ひばり中村眼科」の中村真太郎院長 緑内障とはどんな病気? ――まず緑内障について教えてください。 「網膜の神経が少しずつ減っていく病気です。神経が部分的に減るために徐々に視野が欠けていってしまいます。進行してしま ...
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2015/9/16
開放隅角緑内障
街かど診療室 保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム 虹彩(茶目)と角膜(黒目)の付け根にある隅角は広いが、房水(目の中の栄養水)がしみ出しにくいために眼圧が上がる病態で、一番多いタイプの緑内障です。 それでは、適正な眼圧はいくつか。 一昔前は、眼圧が10~20mmHg(ミリ水銀柱)であれば正常といわれていました。しかし、現在では視野がおかしくなるような眼圧を異常値として、その眼圧から20~30%下げることが治療の目的となっています。 眼圧を下げることが唯一の治療法 例えば緑内障発症 ...
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伊藤 勇