地元のONE TEAM 8年ぶり
強豪として知られる都立東久留米総合高等学校サッカー部が、8年ぶりに、冬の全国高校サッカー選手権大会への出場を決めました。都立校が勝ち抜くのは容易ではありませんが、その快進撃を支えたのは今年のキーワード「ONE TEAM」でした。
同校サッカー部は、前身の久留米高等学校から数えると通算4度の「選手権」出場歴がある強豪です。
OBに元日本代表・中村憲剛選手(川崎フロンターレ)や、ワールドカップでも試合を裁いた元審判員の岡田正義さん、また、タレントの志村けんさんらがいます。
今回は8年ぶりの出場です。チームの強さの理由として、2年前から指揮を執る加藤悠監督は、メンバーの仲の良さを挙げます。
「能力的には去年のほうが高かったが、勝てませんでした。その卒業生の一人がこのチームを見て、『やっぱり団結が大事ですね』と口にしたのが印象的でした」
と加藤監督は話します。
選手自身も団結を意識していて、流行語になった「ONE TEAM」を呼びかけ合ったりしたそうです。
都立校のハンディを乗り越える
団結を重視する背景には都立校ゆえのハンディもあります。
優秀な選手はスポーツ推薦がある私立校に集まりやすく、練習環境にも差が生じてしまいます。例えば同校の場合、定時制課程があるため午後6時までしか練習ができません。そのためどうしても埋められない個々の差を、チーム力でカバーしています。
空色のユニフォームに憧れて
そんな同校には、「都立のここでサッカーをしたい」という生徒が集まってくるそうです。
部長の岩田蓮太選手、主将の下田将太郎選手の二人は、「空色(スカイブルー)のユニフォームに憧れていた」と口をそろえます。
以前から地域とのつながりを大切にしている同校では、人工芝のグラウンドを開放することも多く、チームには、子どもの頃にここでボールを蹴った経験がある選手が少なくないそうです。
ちなみに、二人が語ったスカイブルーのユニフォームの胸部には、ペガサスのワッペンがあります。これは、「天高く青空を飛ぶ天馬」を表しています。
「とにかく1つは勝ちたい」
さて、5度目の挑戦となる同校だが、実は同大会では一度も勝ったことがありません。
「とにかく1つ勝ちたいです」
と岩田部長は話します。
初戦は31日午後0時5分から、味の素フィールド西が丘で。対戦校は滋賀県代表・草津東高校。
下田主将は「声を張り上げてくれる、井上春輝君を中心にした応援にも注目してほしいです」と話しています。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)