「郷土史研究会」会員が幕末期の田無で新発見

2020年1月22日

西東京市の工野正樹さん 各地の市史覆す発見  幕末にこの地を通過した軍とは――

そのとき田無に2つの軍がいた――。

「西東京郷土史研究会」会員の工野正樹さんが、幕末期の郷土史で新発見をし、このほど、著書『振武軍と御抱組―田無と飯能ですれ違った二つの旧幕府方武装集団とその後』にまとめました。

工野さんが発見した史実とは、慶応4(1868)年に田無村に振武軍が屯駐した際、旧幕府勘定所付御抱組も来ていたということです。

これまでの説では、振武軍は総持寺の前身である西光寺を拠点にし、上野で敗れた彰義隊と合流後に二手に分かれて飯能で合流した――とされています。彼らが通過した旧保谷市・旧田無市・瑞穂町・青梅市・飯能市などの市史では同種の記載がされています。

しかし工野さんの発見により、隊が二手に分かれたのではなく、もともと別の隊だったことが分かりました。

この発見のために工野さんは、山梨県や群馬県などまで出かけ、各地の資料に当たったそうです。

 

関係した人物の「戦後」も記述

その詳細を記録した同書では、両軍の行動などに加え、軍を率いた人物たちの明治期の活躍ぶりなどにもページを割いています。

「二手に分かれることを不自然に思い、なぞ解きのような気持ちで調べていきました。この地域にこんな歴史があるということを、多くの人に知ってもらえればうれしいです」

と工野さんは話しています。

なお、同書は多摩地区などの図書館に寄贈したほか、送料込み1000円で頒布も行っています。A5判、210ページ。

編集部おすすめ

1

弱者に優しい社会へ、情報共有を 44歳で肺腺がんステージ4と診断され、2人の子どもを育てながら闘病を続ける水戸部ゆうこさん(50)の企画で、23日㈯㈷に小平市中央公民館で、がん関連の情報を広く伝えるオ ...

2

二十四節気の立冬(7日)と小雪(22日)を迎える11月は、いよいよ冬の始まり。 二十四節気とは、1年を24の期間に分け、それぞれ季節的な特徴を表す名称をつけたものです。 すこし前のデータになりますが、 ...

3

11月23日、市民の企画で 参加者募集中 西東京市と周辺市区を舞台に、時間内にできるだけ多くのチェックポイントを回って得点を集めるイベント「西東京シティロゲイン2024」が、11月23日(土)に開かれ ...

4

ワークショップのお披露目、トークセッションも 誰もが生きやすい社会を目指して、主に映像を用いた地域交流イベントやワークショップなどを行っている「にじメディア」が、11月28日(木)から30日(土)まで ...

5

 27階建て大型ビルの工事現場に、市民の思いを 公共施設が入る予定の工事現場の仮囲いに、小平の未来のイメージ画を飾ろう――。 西武国分寺線・拝島線「小川駅」西口前で建設中の再開発ビルを巡り、 ...

Copyright© タウン通信 , 2024 All Rights Reserved.