近代彫刻の巨匠の晩年の住まいを公開
小平市平櫛田中彫刻美術館は、近代日本彫刻の巨匠・平櫛田中が晩年に暮した住まいに隣接して設置された美術館です。
代表作の一つ「鏡獅子」などを常設展示しています。
また、年に4回の企画展を実施し、2年に1度は大掛かりな特別展も行っています。作品やテーマを替えながら、さまざまな形で平櫛田中の魅力を紹介しています。
ここの見どころの一つは、美術館に並んで公開されている、平櫛田中が最晩年を過ごした住まいです。
平櫛田中が98歳から107歳までの10年間を暮した実際の住まいで、田中が起居した部屋のほか、アトリエを覗くこともでき、巨匠の暮らしを感じることができるのが特徴です。
平櫛田中の美術館は、出身地である岡山県井原市にもありますが(井原市立田中美術館)、作家が実際に暮らした住まいを見られるのはここだけです。寝室の壁には、平櫛田中が書を書く際に飛ばしてしまった墨の跡などが残り、今なお、作家の息づかいを感じられます。
この邸宅では、庭もぜひ眺めたいポイントです。
田中が愛した梅の木を中心におくこの庭園では、年に数回、お茶会やコンサートなどのイベントも開かれます。
ちなみに、庭園の松の木は、実業家・松下幸之助から贈られたもの。東京・浅草寺の山門の仏像(天龍・金龍)の制作に平櫛田中が協力したことへのお礼だったそうです。
美術館と邸宅を、1分26秒の動画にまとめました。同館の学芸員・藤井明さんによる解説入りです。
藤井さんは「庭に置かれたクスノキをぜひ見てほしい」と語ります。
そのほか、日本の彫刻史における平櫛田中の重要性や、邸宅の見どころなどをご解説いただきました。
ぜひ最後までご覧ください。
動画(1分26秒)
館長は実の孫・弘子さん
小平市平櫛田中彫刻美術館の館長は、田中の孫の平櫛弘子さんが務めています。
これまで、遺族として市に田中の作品や収蔵した書籍を寄贈するなど、さまざまな地域貢献も行っています。
弘子館長には、生前の平櫛田中の様子などをインタビューでお聞きしています。
ぜひこちらも遭わせてご覧ください(こちら)。
データ
平櫛田中彫刻美術館
◎小平市学園西町1-7-5
◎火曜休館(祝日は開館しその翌日休館)
(作品入れ替えで臨時休館の場合あり)
◎午前10時〜午後4時
◎300円 (小中学生150円)
(※団体料金あり)
◎042-4341-0098