学校にカフェ
西東京子ども放課後カフェ メンバー・西原みどりさんコラム
放課後に学校内で地域の普通の大人がぶらぶらとその辺を歩いている――。
そんな光景を想像してみてください。うまくイメージできますか?
それは実はとてもスゴイことです。学校ほど無駄なくカリキュラムが組まれ、目的性をもって運営されているところはありません。その場所に、何を教えてくれるわけでもない地域のおじさん、おばさんがコーヒーやカルピスを作ってくれて、「おいしい?」とか「きょうは寒かったね」などと話しかけてくれる。
西東京市では、まず田無第一中学校で「カフェ」がオープンしました。育成会が中心となって、社会福祉協議会の協力員や地元の民生委員などが教室を借り、飲み物が自由に飲めて漫画やボードゲームが楽しめる場所を作りました。思い思いに生徒がやって来てくつろぎ、父母会帰りのPTAの方もお茶を飲んでいく。赤ちゃん連れのママが来て、みんなで赤ちゃんを抱っこさせてもらうというシーンも見られました。
2校目の実施は、西武池袋線北側にある青嵐中学校です。合併後に建て替えられた新しい校舎の中にある図書室で、「ブックカフェ」という名前でオープンしました。
たまたま図書室で行うので「ブックカフェ」であって、本の紹介やブックトークをするわけではありません。でも、訪れる何人かの生徒は、本棚から本を取ってきて、読み始めます。おしゃべりしたり、宿題をやったり、部活の合間にカルピスを飲みにきたり――。ブックカフェの活用のしかたはそれぞれですが、飲み物を作ってもらうとき、コップを返すとき、スタッフである地域のおじさん、おばさんと自然と会話が交わされるようになってきています。
このカフェは、さる4月20日にも、今年度の初回が開かれました。新入生もたくさん来てくれ、「学校でカルピスが飲めるの!?」と驚いたり、喜んだり。そんな姿を見ていると、カフェを開く私たちもうれしくなってきます。
(続く)
西原 みどり