武蔵野大学名誉教授で、西東京市などでの地域活動にも熱心な川村匡由さんが、先頃『大都市災害と防災福祉コミュニティ~東京圏、大阪圏、名古屋圏』を出版しました。
国内だけでなく海外の実情もルポしてきた川村さんらしく、指摘が具体的で幅広いものになっています。
五輪招致や土建型公共事業を優先させる国に対して「社会保障の充実を最優先し、国民の安全・安心を確保するため、政策を大転換すべき」と指摘するくだりは痛快ですらあります。
一方で、住民参加にもとづく公私協働の見守りシステムなどが必要と説き、公助・自助・互助・共助のベストミックスを提言しています。いつか来る大災害に向け、指標になる一冊といえそうです。
四六版、154ページ、大学教育出版。1944円。