エンディングライフ紙上講座
田中葬祭 田中友子さんのコラム
前回お伝えしたように、「田中葬祭」では、終活全体のサポートをしています。
地域の集まりなどでよく耳にするのが、「『終活』『終活』と言われるけど、実際は何から始めればいいか分からない」というお声でした。
確かに、現状では、行政書士や金融機関などさまざまな業種の方から「終活」の案内がされています。「やらなくては」と焦りが出るものの、「どこから手をつければいいの?」というのが現状です。
終活は何のために?
まずは順序立てて考えることが大切です。
最初は、「なぜ終活をするのか(したいのか)」をハッキリさせましょう。
これをお読みの方は終活にご興味がおありなのだと思いますが、なぜ、終活が気になるのだと思いますか?
答えは人それぞれですが、大きく分けると、2パターンがあります。
一つは「子どもに迷惑をかけたくない」という方。
もう一つは「身寄りがない、または頼れる人がいないので、自分で整理しておく必要がある」という方です。
この軸足が明確になるだけで、さまざまな項目への考え方が定まってきます。
現状を整理しよう
終活をする目的がハッキリしたら、次は、現状を整理することが大切です。今のご自分の状態やお気持ちが分からなければ、何をどんな順番で対処していくべきかが決まりません。
今のご自分を鮮明にするには、さまざまな側面から見ていく必要があります。例えば……
◎身体のこと、病気のこと
◎延命治療を希望するか
◎メインバンクはどこか
◎住まい・相続
◎加入している保険
◎貸付金や借入金
◎思い出の品
◎ご葬儀、お墓のこと
まだまだありますが、ざっと挙げるだけでもこれだけあります。明確に整理するには、まずはエンディングノートが便利です。
ノートから遺言書
エンディングノートはさまざまな会社から発行されていますが、そんなに分厚いものは必要ありません。当社では、「簡潔なほうが良い」という考えから、A4判・20ページほどの冊子をご用意しています。その中でも重要項目だけを書けば十分ですので、人によってはわずか1時間ほどで本当に必要な項目が埋められます。
このようにして現状を整理できたら、次のステップへと進みやすくなります。そのお話はまた、次回にいたしましょう。
エンディングノートの注意点
ところで、エンディングノートには注意点があるので、最後に2つほど。
まず一つは、万一のときに役立たせるために、エンディングノートの保管場所を家族に伝えておくのが大切ということです。
そしてもう一つは、ご意思に法的な効力を持たせるなら、遺言書の作成が必要ということです。エンディングノートでは法的拘束力はありませんので、お気をつけください。
身寄りがない、または頼れる人がいないという方については個別に相談をお受けします。
田中葬祭では、エンディングノートの書き方講座を開催しています。気になる方は、お電話にてお申し込みください。
(予約制・初回1時間程度・キット込無料)
田中 友子